イトーヨーカドーとセブン＆アイ・ホールディングスの看板＝都内

セブン＆アイ・ホールディングスがグループ再編に伴い、分離することを決めた傘下のイトーヨーカ堂について、同社向けのサプライチェーン（供給網）は国内に計1万485社あることが11日、帝国データバンクの調査で分かった。2月に全店舗の閉鎖が発表された北海道では、供給網の企業数が5年前から約1割減少。再編後のエリア戦略によっては地域の企業に影響が出る可能性がある。 調査結果によると、供給網全体の企業に派生する売上高（取引高）は計1兆7706億円。ヨーカ堂の年間売上高の2倍以上となった。 5年前に比べ、企業数は0・7％減にとどまったものの、売上高は8・4％減に上った。店舗閉鎖が続く中で供給網が維持された一方、取引規模が細っている状況が明らかになった。 供給網を構成する業種で多かったのは、配送を担う一般貨物自動車運送が872社。続いて加工食品など食料・飲料卸377社▽野菜卸281社▽イベント主催など事業サービス250社－など。うち直接取引があるのは、生鮮や飲料、衣服の卸売会社など計1761社となった。 ヨーカ堂を巡っては、令和8年までに国内33店舗の閉鎖を決定。今月10日にはセブン＆アイがヨーカ堂含むスーパー事業など非コンビニ事業を分離し、新設した中間持ち株会社の傘下に置く構造改革を発表した。 完全撤退が決まった北海道では、供給網が5年前から67社減の583社となっており、帝国データバンクでは「事業再編が商品供給を担う中小企業に広く影響を及ぼす可能性があり、動向に注視が必要」とした。