＜巨・中＞6回、坂本は逆転3ランを放つ（撮影・西川祐介）

　◇セ・リーグ　巨人3－2中日（2024年4月25日　東京D） 　キラキラの白星ゲットだ。巨人・坂本勇人内野手（35）が25日、中日戦の2点を追う6回2死一、二塁から逆転の左越え3号3ラン。チームとしても9試合ぶりの本塁打で、3ランは今季初めてだった。球団ワースト2位だった9試合連続2得点以下の貧打に終止符を打つ、ベテランの一撃。直接対決だった中日を抜く2位浮上に貢献した。 　一番の輝きだった。苦しんでいた打線を救ったのは、百戦錬磨のベテラン。今季チーム初となる会心の3ランを放ったのは、坂本だった。 　「個人的にも全然打てなかったですし、チームとしてもなかなか点が取れなかった。野手みんなでなんとか頑張ろうと言っていた」 　0―2の6回2死一、二塁。チャンスでは初球からスイングするスタイルだが、低めのカーブには反応しない。2球目。内角141キロの速球に、腕を畳んで振り抜いた。代名詞の内角打ち。逆転の3号3ランを左翼席に突き刺し「打った瞬間いくかなと思いました」と振り返った。 　打線は前日まで21年以来の球団ワースト2位となる9試合連続で2得点以下と、得点力不足に悩まされていた。8戦連続で本塁打なしも7年ぶりと、防御率1点台で踏ん張る投手陣をなかなか援護できなかった。その2つを一気に解消した逆転弾だった。 　開幕前から定期的に、二岡ヘッド兼打撃チーフコーチと打撃を見つめ直す。昨年までの映像の確認や、フォームの気になる点など助言をもらい、試合で実践。その繰り返し。この日も打撃練習中にベンチ裏で確認作業をこなし結果につなげた。二岡コーチは「今日はいい方向にいってくれた。継続してくれればいいかなと思います」と目を細めた。 　チームはわずか2安打も10試合ぶりに3得点で勝ち、3カード振りの勝ち越し。阿部監督は「悪い中で（坂本は）ここっていうところで力を発揮してくれる人だと思っている。凄く大きいですし、2安打でも勝てるんだなと思いながら最後、見ていました」と評した。 　この日、カルビー「2024プロ野球チップス第1弾」のスターカードで、本来なければならないキラキラ模様がないカードの一人だったことが判明。それでも坂本は「輝けるように頑張ります」と、ちゃめっ気たっぷりに笑い飛ばした。（川島　毅洋） 　≪「176m」に続きキラキラ模様なく謝罪≫カルビー社はこの日までに、本来あるべきキラキラ模様がないカードが一部流出しているとして公式サイトを通じて謝罪した。対象選手は巨人・坂本、西武・中村剛、楽天・則本らスターカード24種類と昨季限りで現役を引退した松田宣浩氏（スポニチ本紙評論家）のレジェンドカード1種類で、同社は「誠に申し訳なく、深くおわび申し上げます」と謝罪。同品を巡っては、日本ハム・伊藤の身長を「176センチ」とするところを「176m」と誤表記し、謝罪したばかりだった。