『新空港占拠』も第1話に“秘密”が映っていた? 『大病院占拠』と“ほぼ”同じ構造に
二葉は陸奥の意志を引き継いでいるのか?
第8話の最後に、武蔵の姉・二葉(奥貫薫)に対し、悠月が「30年前、お前の兄・武蔵健一(本多遼)に何があったのか答えよ」と指令を出す。何も知らないという二葉だが、「私たちが獣になった元凶はお前の家族にある」と言う。健一は横浜市役所土木事務所勤務の職員。第8話の冒頭で、幼い武蔵三郎に「目の前の困っている人を守るのが俺の仕事なんだ」と言っていたことからも、正義の人だということが強調されている。そんな兄が、30年前の12月24日に失踪。警察が捜査しないのは、おそらく初代山猫絡みで不正を見つけた健一が、正義感から信念を曲げなかったことで消されたと考えられる。二葉もその状況を受け入れているのは、山猫の権力に屈した、もしくは抵抗したら三郎の命が狙われるような脅しを受けていたのではないだろうか。 現在二葉は神奈川県議会議員で、環境問題やクリーンエネルギー開発に関する条例案を中心に活動している。これは二葉なりの復讐が続いているのかも知れないし、二葉がエネルギー関係で活動しているのなら陸奥のことは知っているはずで、良い意味で陸奥の意志を引き継いでいてもおかしくなく、裕子が自分の知らないところで恨みを買っていたように、二葉も恨みを買っている線も考えられる。
駿河姉妹の元凶が武蔵家の理由とは?
しかし、駿河姉妹の元凶が武蔵家の理由とは何なのか。2人は30歳なので、ちょうど健一が失踪した年に生まれている。回想シーンでの紗季が泣いているのを悠月が手を繋いで家に帰るというのは、家に帰りたくないという描写なのだろうか? 空港建設をするにあたり土地買収絡みで、駿河姉妹の親が何か不正したのを健一が見逃さず、それが原因で亡くなり里親に育てられた、もしくは親が職を失ってひどい状態だったのか。 いずれにせよ、30年前の話は不都合な真実であることは間違いなく、資料すら消去されていると思われ、二葉の記憶が頼り。それを駿河姉妹は聞き出したいのではないだろうか。極端な話、駿河姉妹は健一の未婚の子どもだとしたら衝撃的な展開だし、里親が初代山猫だった場合、もし2代目山猫に殺されていたのなら、2代目を炙り出し、計画をぶっ壊したい気持ちになるはずだが、果たして。 第9話の予告から推察するに、丹波親子以外はケダモノ側に寝返りそうで、悠月率いるケモノ軍vs大河率いるケダモノ軍の行く末や、岩槻が犬になった理由が明かされるようだ。高笑いしている女性の声は、いったい誰なのだろうか。
本 手