■「今後さらに大きな作品が控えています」

ーー現在は新作映画の配信までの期間がかなり縮まってきていますが、「Paramount+」でも新作映画がいち早く観られるようになるのでしょうか？ ノビリ：実際我々も、素晴らしい作品を劇場公開しています。我々の意図としては、まず劇場公開があってから、ホームエンターテイメント、そして配信という順番になります。サービスとしてはこれがとてもバランスの取れたものではないかと考えています。劇場公開の期間をきちんと守り、その後ストリーミングになるということで、お互いWin-Winになるからです。現在劇場公開からストリーミングされるまでの期間はおおよそ9カ月くらいですね。 ーーほかのストリーミングサービスは日本オリジナル作品も制作していますが、今後「Paramount+」でもそのような予定はありますか？ ノビリ：今現在はパートナーシップの力というものを信じていています。観客はグローバルなコンテンツとローカルのコンテンツの両方を求めています。その割合はそれぞれの市場によって違いますが、今回の提携で弊社からはグローバルなコンテンツを、提携2社からはローカルのコンテンツを合わせて発信していくというやり方になります。現在はそれが最善のかたちではないかと考えてています。もちろんビジネスですので、これから多くを学び、成長していくことになります。1つの例としては、大人気シリーズである『NCIS』のオーストラリア版『NCIS：シドニー』があります。その国のキャストで観客向けに作り、こちらは大変成功しています。この作品も日本の皆さんに楽しんでいただけるようになりますが、現時点で言えることは、これからいろいろなものが控えていて、パートナーさんとともに学んでいっているということです。今後さらに大きな作品が控えています。 ーー今回配信される作品のなかで、ノビリ氏の個人的なお気に入り、おすすめの作品があれば教えてください。 ノビリ：コンテンツは自分の子供のようなものなので、お気に入りを答えるのは難しいですが、あえて3作品挙げるとするなら、まずは『タルサ・キング』ですね。なぜなら素晴らしく、独特な作品だからです。同時になんといっても、シルヴェスター・スタローンが初めて主演したテレビシリーズだからというのもあります。彼はこれまで映画への出演が多く、ドラマにはあまり出演していませんでした。私はイタリアで育ったのですが、イタリアではスタローンは特別な存在で、彼の声は聖域のようになっています。ですからスタローンの吹き替えはずっと同じ声優が担当しているんです。スタローンがスターになるのと同時に、その声優もスターになりました。『タルサ・キング』は、マフィアの話や家族の話があり、コメディ要素もシリアスな要素もある魅力的な作品になっています。もう1つは『NCIS：シドニー』です。こちらは会社としても大胆かつ大切な作品です。世界中にファンダムのあるシリーズで、また違う場所に観客を連れて行ったわけですが、これは我々にとって、非常に大きなマイルストーンでした。結果として、オーストラリアではプロシージャルドラマ、つまり犯罪捜査の技術的な詳細に焦点を当てたドラマとしてナンバーワンになりましたし、またCBSアメリカの「Paramount+」ネットワークでもナンバーワンになり、好評をいただいています。『モスクワの伯爵』も素晴らしい作品ですので、おすすめしたいです。 ーー最後に日本の映画・海外ドラマファンに向けてメッセージをお願いします。 ノビリ：「Paramount +」で楽しみにしている作品はなにかありますか？ ーー『スター・トレック』のシリーズを楽しみにしています。 ノビリ：まさに『スター・トレック』のように、パラマウントは100年以上にわたって素晴らしい、力のあるコンテンツを提供してきました。我々の制作している作品には、世界中にファンがいます。ファンの皆さんにはとても感謝していますし、コンテンツを楽しんでいただきたいです。皆さんが我々とともに歩んでくださっている旅はさらに進化して、「Paramaount+」というサービスをローンチさせていただくことになりました。『スター・トレック』や『サウスパーク』、『ミッション：インポッシブル』、『トランスフォーマー』などの素晴らしい作品を、楽しんでください。特に私がワクワクしているのは観客からのフィードバックで、すでに「『サウスパーク』を観ることができて最高だ、本当にうれしい」といった言葉をいただいていることです。「全シーズン観られるのですか？」と聞かれたりもしたので、我々はファンが求めているものを提供して応えていきたいです。