北朝鮮の脅威、欧州も肌で感じ始めた…韓国がやるべきこと(2)
一方、北朝鮮は内部の不安や動揺の可能性を最小化するための措置も併行してきた。核兵器がなかった時代にしたような「要塞化」をまた推進して南側に対する防御体制を強化し、住民の政治思想と文化生活領域で韓国の残滓を清算し、韓国を徹底的に敵と規定した。実際、韓半島分断生活、北朝鮮内の韓流はこの1、2年のことではないが、このように格別に内部統制を強化したのはロシアとの協力強化、特に派兵に向けた事前措置の一環だった可能性を排除しがたい。 韓国軍が対北朝鮮拡声器で派兵の事実を知らせているため、北朝鮮政権は成果がある場合は最大限に膨らませて内部に直接派兵を伝える可能性がある。その場合、派兵兵士の「愛国的情熱と戦闘的勇猛」は基本で、生還した人たちは「戦闘英雄」となり、彼らを戦争現場に送って実戦経験を積ませた金委員長の「度胸」と「気迫」は称賛の対象になるだろう。すなわち、北朝鮮内部の不安を緩和し、体制を結束させるのにこの上ないストーリーとなる可能性がある。 ◆NATOが北朝鮮の脅威を深く認識する絶好の機会 このように北朝鮮が希望の脚本通りになるよう努力する中、韓国がやるべきことはそれとは異なる真実が表れるようにすることだ。金委員長は北朝鮮の青年を不法な戦争の盾にして犠牲にしながら、受けた対価で国際社会を脅かす武器を作るのに余念がなく、それが北朝鮮住民の生活をさらに厳しくなる結果を招く。 実際、北朝鮮軍の特殊戦部隊に関する公開資料が少ない点を考慮すると、派兵の効果をいま確信するのは難しい。実際の戦闘状況をもう少し見守る必要がある。したがって派兵の効果を予断して北朝鮮体制に及ぶ否定的な影響を浮き彫りにするのはまだ早い。 真実が表れるようにするために、韓国政府はインド太平洋地域の友好国だけでなく北大西洋同盟が北朝鮮の脅威をようやく認識し始めたこの好機を逃してはいけない。北朝鮮の派兵の潜在的効果を最大限に浮き彫りにし、北朝鮮が今後も中東・アフリカ国家に軍事力を支援する可能性、そして欧州の安保に直接的な脅威を与えるほど健在である可能性も強調する必要がある。こうした問題意識に基づき、NATOーAP4(韓国・日本・オーストラリア・ニュージーランド)レベルの持続的な連携の下で対応してこそ、より多くの国家がより多くの資源を動員して北朝鮮の住民にまで真実が届き、北朝鮮の行動に実質的な制約が加わることになるはずだ。