<掛布が語る>どうなる大混セの行方
交流戦が雨で流れた2試合を残して終了した。8チームが日程を終えた。 パ・リーグがトータルで圧勝したため、セ・リーグは、4連敗をしながらも首位をキープしている巨人以下は、全球団が借金という“大混セ”となってきた。横浜DeNAは、最大「11」もあった貯金をすべて吐き出し借金生活へ、ジワジワと追い上げてきた広島、ヤクルトが首位とのゲーム差をつめた。阪神について言えば、関西ダービーのオリックス戦を3つ落として4連敗。しかも、負け方が悪い。混セの行方を考えたとき、その生き残りに最も不安が残るのが阪神である。 チーム全体がマートン化してしまっていると言えばいいのか。緊張感のあるプレーが見えない。2試合スタメンから外されたマートンが14日のゲームで復帰したが、打球に追い方は、いつものマートンだったし、チームリーダー、鳥谷は、5回一死二塁の守りで、走者が気になったのか、平凡なゴロを内野安打に変えてしまった。記録はヒットでも完全なボーンヘッドだ。そして能見のふがいない崩れ方。どうすれば勝てたかのポイントを探すのが難しいようなゲームだった。 あいかわらず打線は不振で、オリックスとの初戦で、メッセンジャーは9回を無失点に抑えて勝ち投手になれなかった。続く投手は、「え?ゼロでも勝てないの?」となると、ついつい自分でコントロールを狭くしてピッチングに余裕が生まれない。結果、先に点をやる、もしくは、最小リードを守れず崩れる→負けゲームを踏ん張らねばならない役回りの中継ぎも崩れる→打線も反撃できない、という悪循環である。 昨年チームは、日本シリーズに進出したが、外国人への比重が重いチーム編成となっている。明日、そこから脱却しろ!と言うのも無理な注文だろう。歪なチーム編成を進めてきてしまったツケだ。だが、この編成で前へ進まねばらならないのならば、鍵は、マートンの再生しかない。もうスタメンを外すというような中途半端な処置ではなく、メッセンジャーのように10日間、ファームに落として、心身共にリフレッシュさせるしかないと思う。バッティングで言えば、もともと、衝突型の選手だが、それにしても“間”がほとんどない。その技術の修正と、今年の広くなったストライクゾーンに対応するようにメンタル面を修復するしかないだろう。