マスク氏、自らの報酬案など株主議案が「大差」で承認の方向
(ブルームバーグ): 米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は12日遅く、自身の報酬パッケージの再承認および、デラウェア州からテキサス州への法人登記の移転という2つの主要な株主議案について、現時点では「大差」で可決される方向だと指摘した。
この暫定結果は、マスク氏にとってもテスラにとっても朗報だ。同社はこの2つの議案に関し、何週間にもわたり大手機関投資家や個人株主に支持を求めてきた。同社は投資家の投票締め切り日時を米中部時間12日午後10時59分(日本時間13日午後0時59分)に設定。テスラの年次株主総会は13日に開催される。
マスク氏の報酬案を巡り株主が投票するのはこれで2回目となる。2018年には難なく可決されたものの、今年1月にはデラウェア州の判事が、投資家が重要な詳細情報を十分に知らされていなかったとして、この報酬案を無効とする判断を下した。
報酬案では、テスラが特定の節目を達成した場合、マスク氏は最大558億ドル(約8兆7700億円)相当のストックオプションを受け取る資格があるが、その目標を同社は既に達成している。ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、現在のオプションの価値は450億ドルに近い。
今回の投票に関し、これまで公にコメントしている投資家の意見は分かれていた。報酬パッケージが復活しない場合、マスクは同社を去りかねないと懸念する声も聞かれる。マスク氏は自らの持ち株が約25%にならない場合、テスラ以外で製品を開発する意向を示している。現在の持ち分はその半分程度だ。今回の報酬案が復活した場合、同氏の保有比率はほぼ2倍の約21%になる。
アーク・インベストメント・マネジメントのキャシー・ウッドCEOやバロン・ファンズのロン・バロンCEOらは賛成を表明しているが、カリフォルニア州公務員退職年金基金(カルパース)やカリフォルニア州教職員退職年金基金(CALSTRS)など一部の大型年金基金は反対の方針を示していた。