吉田鋼太郎、主演映画「おいハンサム!!」公開 「これって寺内貫太郎だな」と思った主人公
--食事の場面が多い
どれも、おいしそうですよね。食事の場面の撮影は時間がかかるので大変なんですが、食べられるんで、楽しんでやっていました。
--食事こそ生きる基本だというメッセージなのでしょうか?
きっと、そうだと思います。うん。そうだと思います。
■シェークスピアと源太郎
<吉田鋼太郎。昭和34年、東京都出身。シェークスピア劇、ギリシャ悲劇など古典舞台で活躍。NHK連続テレビ小説「花子とアン」の九州の石炭王役で広く知られ、ドラマにも引っ張りだこに。蜷川幸雄の後を継ぎ「彩の国シェイクスピア・シリーズ」2代目芸術監督に就任。私生活では、3歳の娘の父親でもある>
<源太郎が、良い表情で、良いことをいう。そこがハンサムだという点が、タイトルにもつながる。映画の山場で源太郎は、ドラマ以上に〝ハンサムな〟演説を展開する>
--この演説の場面の芝居は、シェークスピア俳優、吉田鋼太郎ならではの見せ場だと思うのですが
ドラマでも毎回、娘たちに対して、いい意味で威圧的にいわなくてはならないせりふ、しかも長いせりふがあって、それは、おっしゃる通り、シェークスピア劇での技術が応用できる場面です。
一方で、監督は、うまい芝居をしてほしくない人なんですよ。実際、人間って、そんなに立て板に水でしゃべるわけじゃない。ちょっとつっかえたり、考え込んだり。
だから、彼が現場でせりふを変更するのは確信犯なんでしょうね。せりふが急に変更になると、演技をプランする時間はないから、そこにリアリティーが生まれるわけです。
先日まで、舞台でシェークスピアの「ハムレット」をやっていたんですよ(吉田は演出のほかクローディアス役で出演)。ハムレットは、報復しなくてはならない運命のもとに生まれたけれど、ずっとためらい続けるんです。なぜ、人は人を殺すんだろう? 僕は今、本当に殺していいのだろうか?
ハムレットには、知性と優しさがある。源太郎も同様で、知性と優しさを兼ね備え、それが強さになっている。それが、伊藤源太郎なんですね。