吉田鋼太郎、主演映画「おいハンサム!!」公開 「これって寺内貫太郎だな」と思った主人公
--演じた伊藤源太郎とは、どんな役ですか?
僕は、現代のスーパーマンだと思っています。現実には、いそうで、いない。
娘たちへの愛情が深く、それを言葉にして娘たちに説明し、お説教めいたこともいうし、会社では理想の上司だ。有能で、今回の映画で明らかになりますが英語も堪能です。こういう人がいたらいいなと、皆が望むような人だと思うんですよね。
--一方で、昭和の頑固おやじに通じる部分もありますね
僕が子供の頃、ホームドラマが全盛で、〝最終形〟が、向田邦子さんが脚本を手掛けた「寺内貫太郎一家」でしたが、実は初めて「おいハンサム!!」の台本を読んだとき、「あ、これって寺内貫太郎だな」と思ったんですよ。
実際には、ちゃぶ台をひっくり返しちゃうような人は、当時でさえ、そんなにいなかったし、源太郎は娘を投げ飛ばしたりはしませんが、源太郎にも貫太郎の〝血脈〟、〝血筋〟があるはずです。
山口監督も、「そうだよ」とおっしゃっていました。決してまねをしているわけではないけど、「似ているといえば、似ているかもね」と。
■アドリブは皆無
--芝居は、結構、アドリブもされているのですか?
いや、アドリブは一切ないです。シーズン1の最初の頃、アドリブの芝居を入れたら、監督から「やめましょう」と注意され、しないほうがいいんだと学習しました。
--台本が緻密だから、台本通りのほうがおもしろい?
そういうことですよね。監督は、すべて計算して脚本を書いている。
しかも、せりふは必ず現場で変更になるんですよ。監督は最後の最後まで、せりふをどうしたらいいのか格闘しているわけですね。彼の中で、ぎりぎりまで正解が出ないせりふを、僕らが勝手に変えてはいけない。
■生きるって悪くない
--「おいハンサム!!」は、ホームドラマであり、ラブコメディーでもありますが、結局、何を伝えたいのだと考えますか?
悩んでる人、現状に甘んじざるをえず苦しんでいる人…さまざまな人たちへの愛情にあふれた作品ですよね。人間って、生きるって、そんなに悪いことじゃないぞ。そういうことをいっているんじゃないかな。