日本舞踊と俳優の二刀流 藤間爽子、30歳で辿り着いた新境地「その年齢にしかできない役がある」
30歳となり「ワクワクでいっぱい」
21年には三代目藤間紫を襲名したが、NHK連続テレビ小説『ブギウギ』ではヒロイン鈴子の幼なじみの親友役を演じるなど女優業の活躍も目立つ。 「女優業と舞踊は半々ですけど、最近、女優業の方が多くなっています。女優には20代、30代でしかできない役があるので、自由にやらせてもらっています。舞踊の流派の人たちにしたら、頼りない部分がたくさんあると思いますが、応援してくださっているので、感謝しています。私に興味を持って、舞踊を習いたいという生徒さんもいて、良かったと思います」 8月3日には節目である30歳の誕生日を迎えた。 「20代半ばに女優業を始めて5年間。本当にいろんなことが目まぐるしく変わったことを身をもって実感しました。29歳の時は『30』という響きにビビっていた部分はありますが、襲名した時も同じで、結局、自分は変わってなかった。今は30代だなという、ワクワクでいっぱいです。『チャチャ』も『つづ井さん』でも、自分にはこんな引き出しがあったんだと思いました。作品や役のおかげで新しい自分に気付けるような気がします」 休日でも、家にいることはほとんどなく、出かけるのが趣味とアクティブだ。 「映画を見に行ったり、友達と会ったりしています。少し長い時間があったら、旅行にでかけています。一つのところにいられない性格なのかな。旅行でも、のんびりすることはなくて、ツアーに参加したりしています。今年の年始に友達とイギリスとフランスに観劇三昧の旅をしました」 今後も、女優業と舞踊家の“二刀流”の活躍が期待される。大リーグの大谷翔平の名前を出すと、「大谷さんに例えられるのは、やめてほしいです。全然違うので、恥ずかしいです(笑)。何でも楽しめるのが特技とは思いますので、ジャンル問わず、役を問わず、いろんな役に挑戦していきたいと思っています」とさらなる活躍を誓った。 □藤間爽子(ふじま・さわこ)1994年8月3日生まれ、東京都出身。幼少より祖母・初代家元藤間紫に師事し、2021年、三代目藤間紫を襲名。日本舞踊家・女優として、舞台や映像を中心に活動中。劇団阿佐ヶ谷スパイダースに所属。近年の主な出演作に、映画『大名倒産』(23/前田哲監督)、『夜明けのすべて』(24/三宅唱監督)、『九十歳。何がめでたい』(24/前田哲監督)、ドラマ『マイファミリー』(22/TBS)、『silent』(22/CX)、『ドラフトキング』(23/WOWOW)、連続テレビ小説『ブギウギ』(23-24/NHK)、舞台『帰れない男~慰留と斡旋の攻防~』(24/倉持裕演出)など。公開待機作に映画『アイミタガイ』(24/草野翔吾監督)がある。
平辻哲也