新型クラウン・クロスオーバーRS“ランドスケープ”は、トヨタが手がけたホンキのアソビグルマだった!!! 斬新すぎる特別仕様車に迫る
走りはあくまでクラウン
ランドスケープのベースはスポーティな仕様のRSなので、パワートレーンはクロスオーバーのラインアップ中、もっともパフォーマンスに振ったデュアルブースト・ハイブリッドとなる。すなわち、2.4リッター直列4気筒ターボエンジンと1モータートランスアクスルの組み合わせ。システム最高出力は349ps、最大トルクは460Nmだ。 強力なハイブリッドシステムは前輪を駆動。後輪は最高出力80.2psのモーターで駆動する電気式4WDシステムを搭載する。さらに、DRSと呼ぶ後輪操舵システムを備えており、低速域では小まわりが効き、中速域では旋回性を高め、高速域ではスタビリティの高い走りを約束する。 最低地上高の25mmアップはアイポイントの引き上げにもつながっており、運転席に腰を下ろしてみると、ベース車に比べて見下ろし感が強くなったのを感じる。なお、全高は1565mm。世の中にはSUVに分類されるクルマでランドスケープと同程度の車高を持つモデルもあるくらいだから、見下ろし感があって当然だ。 専用装備によってワイルドなムードさえ漂わせるようになったランドスケープだが、クラウンの一員であることに変わりはない。だからだろうか、強力なパワートレーンを搭載しているとはいえ、走りはあくまでジェントルである。穏やかに走ろうと思えば穏やかに走り、室内は至って静かだ。 鞭をくれても、穏やかな印象に変わりはない。エンジンがその存在を誇示するようにノイズを高めるわけでもなく、スーッと速やかに加速して、今そこにあった景色をはるか後方に追いやってみせる。ワイルドなのは見た目だけ。運動能力の高さは歴然としているが、どんな状況でもクルマ自体は泰然自若としており、だからドライバーも落ち着いていられる。 クラウン・クロスオーバーに追加設定されたランドスケープは、アスファルトだけでなくダートにも行動範囲を広げた、頼りになる相棒という印象。専用アイテムの数々は、高い潜在能力を示す目印のようなものである。価格は¥6,850,000だ。
文・世良耕太 写真・小塚大樹 編集・稲垣邦康(GQ)