中国有数のAI企業謝罪-会長の妻が自社株取引、密かに利益得る
(ブルームバーグ): 人工知能(AI)・量子コンピューティング開発で中国有数の中科曙光に中国当局が厳しい監視の目を向けている。
同社の株価が大きく上昇していた1年間に、会長の妻が自社株1億5000万元(約32億円)相当を密かに取引し、利益を得ていたこと調査で判明した。中科曙光は中国科学院系の企業で正式社名は曙光信息産業。米政府が禁輸リストに多数掲載した中国ハイテク企業の1社だ。
中科曙光によれば、李国傑会長の妻、張蒂華氏は2023年3月3日から24年3月14日の間に232回の取引で59万元を手に入れた。
同社の株価はこの間に50%余り上昇。米国とのテクノロジー競争を繰り広げる中国で、AI開発の波に乗ると期待される中科曙光に投資家が殺到した時期だった。
証券取引所からの問い合わせを受けて問題を公表した同社は謝罪したが、張氏が夫である李会長に一切伝えずに自社株を取引していたと強調した。
12日の中国株式市場で、中科曙光株は一時4.1%上げた。人間関係を重んじるビジネス環境の中国で、当局はインサイダー取引など根強く残る市場の不正を取り締まると約束している。
原題:Chinese AI Mogul’s Wife Admits to $21 Million of Secret Trades (抜粋)
--取材協力:Mengchen Lu.
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