40代長男の絶望…元・転勤族の亡き父が、押し入れの奥にねじ込んでいた「戦慄の置き土産」【弁護士が解説】
結局「片っ端から調べる」しか…
では、口座関連の情報が散らばっている場合はどうなるのでしょうか? 現時点においては、極めてアナログな対応策しかありません。専門家が、亡くなった方の書類を預かり、仕分けして、「このあたりの銀行なら口座があるのではないか?」とあたりをつけて、実際にあるかどうかを問い合わせるのです。問い合わせする場合も正式な書類が必要であり、筆者も仕事柄何度も経験していますが、本当に手間がかかる作業です。 このように、情報を「見えない」状態にしておくだけで、想定外の費用が発生するということを、よくよく覚えておいていただけたらと思います。「資産状況を見える化して整理しておく」ことは、極めて重要なのです。 基本的に、株や投資信託も、ほぼ預貯金と同じです。いくつも証券口座を分けてしまうとそれだけで手間なので、売却していいものなら現金化しておき、まだ売れないと考えるなら、どこかに一本化するようにします。
保険は本来「遺された大切な人」のためのものだが…
保険証券も、きちんとまとめていないと、相続人は何がどこに入っているか把握していないケースがほとんどです。自分が亡くなること前提に、細かな引継ぎを行う人は多くないと思いますが、しかし現実問題として、保険会社の方も嘆いているとおり、承継がうまくいかず、利用されない生命保険も一定数発生しているのです。 こちらも、調べる方法は非常にアナログで、税理士や弁護士が通帳を預かり、通帳の引き落とし履歴を見て、保険会社の引き落としありそうな記録から保険会社の当たりをつけるしかありません。これも大変な手間もコストがかかります。 このように、無駄な費用が発生しないよう、相続の際には、本当にむずかしい税務のところだけ、本当に揉めている部分の解決だけを専門家に頼めるようにしておいたほうがいいのです。それにより、手残りはかなり違ってくることになります。 山村暢彦 山村法律事務所 代表弁護士
山村 暢彦
【関連記事】
- “年金繰下げ”で月18万円受け取っていた70代夫婦、安心の老後だったが…一転、個人事業主の73歳夫死去で、遺された妻が絶望する遺族年金額「お金が不安で夜も眠れません」【FPが解説】
- 「定年まで働くぞ」年収550万円、会社に尽くした65歳男性の後悔…「64歳11ヵ月」で退職した年収400万円の同期を羨んだワケ【CFPが解説】
- 医師となった自慢の長男だったが…長男嫁の「衝撃発言」で、70代女性が遺言書作成を決意したワケ
- 年収430万円の41歳・おひとり様女性、乳がん罹患で絶望…「がんで仕事を失った会社員」の悲惨すぎる“いまの姿”【CFPが解説】
- 世帯年収1,600万円の30代・パワーカップル…ペアローンで「1億円のタワマン」を購入した驚愕の結果【FPが解説】