中古相場"爆上がり" ホンダの「NSX」は35年経っても色あせない
今でこそ世界で確固たる地位を築いている日本車だが、暗黒のオイルショックで牙を抜かれた1970年代、それを克服し高性能化が顕著になりイケイケ状態だった1980年代、バブル崩壊により1989年を頂点に凋落の兆しを見せた1990年代など波乱万丈の変遷をたどった。高性能や豪華さで魅了したクルマ、デザインで賛否分かれたクルマ、時代を先取りして成功したクルマ、逆にそれが仇となったクルマなどなどいろいろ。本連載は昭和40年代に生まれたオジサンによる日本車回顧録。連載第15回目に取り上げるのは、初代ホンダNSXだ。 【画像ギャラリー】NSXにNR、そしてライバルのフェラーリ348まで登場して当時の記憶がよみがえる!!
不名誉ながら某事件で脚光
初代ホンダNSXは、ゴールデンウィーク明けに発生した某事件をきっかけに必要以上に脚光を浴び、注目されることになってしまった。私の知人のホンダ関係者は、「なぜ具体的車名を出すのか?非常に不名誉」とご立腹。まぁとんだとばっちりだ。 今回の事件を報道するのに、ホンダNSXやホンダNRという具体的な車名を出す必要はあったのかなという思いはある。「高級スポーツカーと高級バイク」という表現でも良かったのでは。でもNSXやNRというスペシャルなものほど、注目されやすいのも事実。ただ、容疑者本人が自身のSNSで写真とともに車名も明かしているので、メディアが隠したところで、結局は分かってしまう。メーカーやオーナー、ファンにとっては迷惑な話だろうが……。
シカゴオートショーでプロトタイプを公開
NSXは1989年2月、シカゴオートショー(アメリカ)でプロトタイプが初公開されたのだが、日本ではショーの直前の2月10日に東京・南青山のホンダ本社で記者向けに公開されていた。 ここで注目したいのは、プロトタイプの時はNSXではなく、SとXの間にハイフンが入るNS-Xという車名だった。正式デビュー時にNSXとなったわけだ。 NSXの車名はNew Sports carにホンダが好んで使う未知数(無限の可能性)を意味するXを組み合わせたもの。
日本車3台のXの謎
この年のシカゴオートショーはホンダNS-Xのほか、日産フェアレディ300ZX、マツダMX-5ミアータ(ユーノスロードスター)の3台が出展された。NS-X以外はその後すぐに日本で市販されたが、奇しくも3台とも車名に"X"が使われていたことから、『日本車3台のXの謎』と話題になったのが懐かしい。