稲垣吾郎主演舞台『No.9 -不滅の旋律-』4度目の上演決定 共演に剛力彩芽、南沢奈央ら
稲垣吾郎主演舞台『No.9 -不滅の旋律-』が、12月21日から31日にかけて東京国際フォーラム ホールCほかで開催されることが決定した。 【写真】ベートーヴェンに扮した稲垣吾郎 “鳴らせ。私の頭の中の完璧な音楽”。たとえ耳が聞こえなくなっても、私の頭の中には音楽が鳴り響いている……。 作曲家として人間として、劇的な人生を送ったベートーヴェン。最後の交響曲「第九」まで、彼はどんな時間を生きたのか。その波乱と苦悩の生涯を、主演・稲垣×演出・白井晃のタッグで見せる。 タイトルの『No.9』とは、ベートーヴェンが作曲した9番目にして生涯最後の交響曲第9番 ニ短調(第九)のこと。豊かな才能に恵まれる一方で、持ち前の激情や孤独感から周囲の人々や社会とぶつかり続けた男が、自らの音楽のあり方を掴むドラマのクライマックスには、やはり第四楽章の合唱「歓喜の歌」が鳴り響く。 2018年、ベートーヴェン生誕250周年にあたる2020年と再演を重ねた本作。くしくも今回は、「第九」初演から 200年の節目にあたる年の上演となる。 初演からベートーヴェンを演じ、回を重ねるたびに熱演を見せるのは稲垣。暴力的な父親による幼少期のトラウマに加え、複雑な性格がもたらすさまざまなトラブルに悩み、さらには創作に深刻な影を落とす病に冒された焦燥感、孤独感、その末にたどりついた境地を、持ち前の知性と繊細さをもって浮かび上がらせる。初演から9年あまり。本公演中には100ステージ目を迎える。 彼を秘書として支えるマリア役は、2018年の再演から参加している剛力彩芽が続投。ベートーヴェンと対等に渡り合い、インスピレーションを与えるピアノ製作者ナネッテ役には、南沢奈央がキャスティングされた。また、ベートーヴェンの2人の弟ニコラウスとカスパ ールには、崎山つばさと中尾暢樹がそれぞれ初参加し、新たな息吹を吹き込む。さらに、片桐仁、岡田義徳、深水元基、奥貫薫、羽場裕一、長谷川初範らが出演する。 また、舞台上には2台のピアノが配され、末永匡と梅田智也の2人のピアニストが「悲愴」「熱情」をはじめとする20曲以上のベートーヴェンの楽曲を演奏するほか、オペラやミュージカルで活躍する実力派の声楽家20名がコーラスとして共演する。 舞台『ジャンヌ・ダルク』(2014年初演)を皮切りに、本作『No.9』、『サンソン-ルイ16世の首を刎ねた男-』(2020年初演)と、足掛け10年にわたり時代スペクタクルを世に問い続けてきた、演出の白井晃、脚本の中島かずき(劇団☆新感線座付作家)、音楽監督の三宅純を中心とするクリエイティブチームが集結した。 【コメント】 ●演出・白井晃 「No.9」の4度目の上演で、こうしてまた、皆さんとお会いできることを素直に嬉しく思っています。演劇作品というのは、常にコンテンポラリーなものであり、その折々の時勢によって作品の持つ意味も、受け取り方も変わるものです。ですが、この作品が、これだけ長い時間に渡り上演されるのは、作品の中で描かれている世界が、時間を超えてわたしたちに感動を与えてくれるからだと思います。世紀を超えた天才ベートーヴェンが残した楽曲の持つ力は計り知れません。その楽曲に宿った魂に迫るための冒険をわたしたちはこれまでも繰り返してきました。もちろん、この冒険の中心に常に存在したのは、稲垣吾郎という稀有の才能に他なりません。憑依という言葉を思い浮かべるほどに、稲垣さんはベートーヴェンの魂に肉薄し、冒険の先頭に立ち続けてくれました。この作品は、継続して上演する運命にあると思っています。今回の上演は、まだ通過点。この通過点を皆さんに見守っていただきたいと、心から願っております。 ●主演・稲垣吾郎 ベートーヴェンを演じていると、ふと自分と重なるような瞬間があり、もう一人の自分といるような感覚に陥ることがあります。回を重ねてもなお、掴みきれないところもまだまだあって、常にベートーヴェン像を追い求めている気がします。 4度目の上演となる今回も、ご一緒するキャストの方々と新たな『No.9』を作り上げていきたいと思っています。そして、緊張感のある序盤から「歓喜の歌」が響く終盤まで、お客様と一体となってベートーヴェンという人物を動かし、物語を紡いでいくことを楽しみにしています。
リアルサウンド編集部