「アムロより凄いヤツいるの?」 アナザーガンダム世界の「最強パイロット」を考察してみた
■近接戦闘では右に出るものなし!?『機動戦士ガンダム00』刹那・F・セイエイ
2人目は『機動戦士ガンダム00』の刹那・F・セイエイだ。 歴代シリーズ屈指の剣さばきを持っている刹那。1stシーズン第19話「絆」、ミハエル・トリニティが駆るガンダムスローネツヴァイとの戦いでは、複数展開されたツヴァイの遠隔操作が可能な移動ビーム砲“GNファング”を、刹那は投げナイフと短剣でさばいている。 さらに、2ndシーズン第22話「未来のために」で、ミスター・ブシドーことグラハム・エーカーのスサノオ戦では、「斬り捨て御免!」と斬りかかってきたスサノオの強化サーベルを、先に紹介したキラ同様、見事白刃取りして見せた。 またこのグラハム戦で、刹那はダブルオーライザーのツインドライヴシステムの影響により、進化した人類“イノベイター”へと覚醒し、情報処理速度や身体能力が大幅に向上。それにより、続く第23話「命の華」では、ルイス・ハレヴィのレグナントのGNファングも、さらに洗練された機体操縦と剣さばきで対処している。 『ガンダム』シリーズには、本作のGNファングのようなファンネル系の武器は多いが、ここまで鮮やかに剣でさばききったパイロットはほかにいただろうか。近接戦闘の凄さを考えると、刹那も最強パイロット候補の一人だと言えるだろう。
■エアリアルありきで見られがちだが…『機動戦士ガンダム 水星の魔女』スレッタ・マーキュリー
最後の最強候補は『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のスレッタ・マーキュリーだ。 意外に思われる方も多いかもしれない。それもそのはず、スレッタが乗るガンダム・エアリアルは作中圧倒的な性能を誇り、開発そのものが禁止にもなるほどのモビルスーツである。ゆえにそのアドバンテージから、スレッタはパイロットとしては低く見られがちだ。 しかし、最終戦の彼女の戦いを見てもらえばその評価も少し変わるかもしれない。第22話「紡がれる道」、巨大なデータストーム空間が広がるクワイエット・ゼロで、スレッタはその“最強”のエアリアルと対決することになったのだ。 ガンダム・キャリバーンに乗るスレッタは肩で息をするほど身体的負担を受けながらも、エアリアルが操る無数の無人機ガンドノードの全方位攻撃を全弾避ける。逆に彼女自身は、スラスターのついた特徴的なライフル“バリアブルロッドライフル”を使い、的確に敵の数を減らしていった。 さらに続く第23話「譲れない優しさ」、エアリアル本体の遠隔操作兵器システム・エスカッシャンによる攻撃も、スレッタはそのほとんどを回避。最後まで致命的なダメージを受けることはなかった。 このときエアリアルを操縦していたエリクト・サマヤも戦いのなかで「僕は君(スレッタ)のこと傷つけたくない」と言っていたが、彼女も母の願いと自分自身のための戦いであったため、そこに手加減はなかったように思う。本気でスレッタを仕留めにいっているからこそ発せられたセリフのように感じた。 このようにスレッタは、エアリアルなしで、逆にエアリアルを相手に見事な操縦テクニックを見せ、さらにその戦闘は最強パイロットに推したくなるような凄みがあった。 今回はアナザーガンダムの世界において、アムロを超える可能性を秘めた最強パイロットを考察してみた。 アナザーガンダムは作品ごとに異なる世界観を持ち、技術背景も全く異なる。さらには『機動武闘伝Gガンダム』のドモン・カッシュのような異質の強さを持ったパイロットもいるため、単純な比較は難しい。 しかし、このような考察ができるのも、アナザーガンダムならではの魅力と言えるだろう。あなたの思う最強パイロットは誰だろうか?
海狸こう平