J1神戸の山口蛍、J2長崎に移籍 刺激受けた3選手とファンに感謝
サッカー元日本代表でJ1のヴィッセル神戸に所属する山口蛍選手(34)がJ2のV・ファーレン長崎に完全移籍する。23日、両チームが発表した。山口選手は神戸を通じ、「今シーズンをもって6年間共にしたこのクラブを去ることにしました。6年間温かく見守って、サポートしてくれてありがとうございました」とコメントした。 三重県出身の山口選手は、セレッソ大阪の下部組織からトップチームに昇格し、2009年にデビューした。その後はドイツ・ハノーバーへの移籍を経て、16年にセ大阪に復帰。19年シーズンから神戸に完全移籍すると、第99回天皇杯全日本選手権を制してクラブ初タイトルを手にし、23年は主将としてリーグ初制覇に導いた。今季は8月の練習中に左膝を痛めて手術するなど、途中で離脱。チームはリーグで連覇したが、27試合に出場して3得点にとどまった。 山口選手は自身のインスタグラムも更新し、「19年に関西のライバルから移籍してきた自分を温かく迎え入れてくれ、最初の試合からチャントを歌ってくれましたね。本当にうれしかったです。この6年間いい時も、苦しい時も常に支えていただきありがとうございました。いつか自分が引退したとき、優勝したときにこんな選手がいたなと、頭の片隅にでも覚えてくれていたらうれしいです」と感謝を記した。 長崎への移籍についても触れ、「素晴らしいスタジアムでクラブのビジョンと絶対にJ1に上がる、その熱意に心動かされました」と経緯をつづった。 元日本代表で、サポーターから「四天王」と呼ばれた大迫勇也選手、武藤嘉紀選手、酒井高徳選手との写真を掲載し、感謝の思いも明かした。 「高徳、サコ(大迫選手)、ヨッチ(武藤選手)、君たち3人の存在が常に刺激でした。俺は君たち3人とは全然一緒ではないし、海外でも活躍できなくて日本代表でも全く活躍できなかった。それでも周りの人たちは俺を一緒のように扱ってくれた。光栄なことだしうれしかった。その半面、ものすごくプレッシャーでつらい時期もあった。カテゴリーは違うけどこれからも刺激を受けながらまだまだできるってとこを見せたい。普段恥ずかしくて直接は言えないけど本当に3人には感謝してます。共に闘ってくれてありがとう。これからも3人の活躍を見て刺激を受け、まだまだ成長する。頑張ります。幸せな時間をありがとう。これからもよろしく」 長崎は10月に新本拠地「ピーススタジアム」が開業。来年クラブ創設20周年を迎える。26年の8季ぶりとなるJ1復帰に向け、経験豊富な山口選手に期待が掛かる。【生野貴紀】