<呪術廻戦>甚爾、漏瑚の最期に涙 アニオリ満載の戦闘描写に「すごいものを見た、ありがとうMAPPA」
MBS・TBS系列全国28局にて放送・配信中のアニメ「呪術廻戦」(毎週木曜夜11:56-0:26ほか、TBS系/ABEMA・ディズニープラス・Huluほかにて配信)の第2期16話(第40話) 「霹靂」が11月9日に放送された。今回は伏黒恵(CV.内田雄馬)VS伏黒甚爾(CV.子安武人)、両面宿儺(CV.諏訪部順一)VS漏瑚(CV.千葉繁)の2つのバトルが展開。戦いの中で起こるドラマに胸打たれる視聴者が続出した。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】予想外の結末を迎えた伏黒恵(CV.内田雄馬)VS伏黒甚爾(CV.子安武人)の親子バトル ■映画と遜色なかった今話の2大バトル 注目の一戦が2連続で描かれた第16話。ドラマも素晴らしかったが、分かりやすく目を奪ったのは映画の世界と言って申し分ないド級の作画クオリティーだった。恵と甚爾の一戦にしても、漏瑚と宿儺の一戦にしても、次々に繰り出されていくアクションを様々な角度のカメラワークで捉え、それを破格のスピードで画面に映していく。しかも、絵作りが素晴らしいのはもちろんだが、2つのバトルの“質”の違いもくっきり表現されている。 恵と甚爾の戦いは、いうなれば“人スケール”の視点の戦いだ。渋谷の街に立ち、その中で動き、ガラスが弾け、車やマンホールの蓋など、そこに散らばるあらゆる物が武器になっていく。戦いは恵の危機や焦りが伝わる緊迫感のあるものとして描かれ、そこに目が釘付けにされていく。対して漏瑚と宿儺の戦いは、渋谷の街を飲み込む“呪霊スケール”の戦いだ。容赦なく破壊されていく街並みや、上空からのカメラワーク。溶岩の海に飲み込まれるビル群など、圧巻の光景が「すごい」という言葉さえ奪っていく。 静と動のようなメリハリの利いた2つのバトルシーンが1話の中に詰め込まれ、しかも作画は一切崩れない。アニメオリジナルもふんだんに盛り込まれた監督の構成力、アニメーターの力量が作り出したハイレベルの映像は視聴者全てに届いたのだろう。直後のXには「すごいものを見た、ありがとうMAPPA」「毎回、神回神回言ってるけど、今回はちょっとケタが違って言葉が出ない」「アクション描写が細かすぎて鬼リピートして分析してる」など、興奮と絶賛のコメントがあふれ返っていた。 ■「よかったな」と、予想外の結末を迎えた親子バトル 幼少期に父親が蒸発した息子と、失踪した父親本人。互いが互いの素性を知らぬまま、恵と甚爾は戦いに突入する。先の陀艮戦で七海健人たちを救出するために無理な領域展開を行った恵は消耗が激しく、残った呪力で脱兎を召喚し、撹乱しながら肉弾戦を仕掛けていく。しかし、そもそもフィジカルだけで特級呪霊を圧倒する甚爾に敵うはずもなく、恵はあっという間に追い詰められていく。雷撃による鵺(ぬえ)の奇襲も通じず、逃げ込んだのは狭い一本路地。しかし、ここに恵は勝機を見出していた。 相手が確実に正面から襲ってくると踏んだ恵は、ここで決死のカウンターを仕掛ける作戦に出る。足元には影の落とし穴を作り、脱兎でそれを隠し、一瞬のスピードで踏み込んでくる甚爾のバランスを崩す。そして、致命傷の一撃をかわしながら、隠し持っていた剣を甚爾に突き立てる。まさに肉を切らせて骨を断つ攻撃だったが、甚爾のフィジカルはそれすらもかわし切ってしまった。今度こそ絶体絶命かと思われた恵だが、変化は甚爾の方に起こった。 交差した瞬間に目が合っていた2人。甚爾はこのとき、相手に何かを感じ取ったのかもしれない。今は“器”に肉体の情報しか降ろされていないはずの甚爾の脳裏に、我が子を禪院家に売ったときのこと。そして、「恵をお願いね」と言われたあの人の言葉がよみがえる。相手の名前を聞き、「禪院じゃねぇのか」「よかったな」と言葉を繋いで自決した甚爾の目は、自我を取り戻したようでもあった。 甚爾の自決という最期は驚きのものだったが、視聴者の多くはそれ以上に、甚爾の中に見た恵への愛情に胸打たれたようだった。Xには、「『よかったな』で、降霊術で降りてきた戦闘人間じゃなく伏黒甚爾になったの本当に好き」「これは甚爾さん、恵になんだかんだめちゃくちゃ愛情持ってたっていうことで良いのかな。都合のいい夢を見ていいかな」「その人君の父親だったんだよ、君を祝福して逝ったんだよと伝えたい」という、2人に向けた感動のコメントが集まっていた。 ■漏瑚の最期に涙するファン続出 一方、宿儺に挑んでいた漏瑚は、想像をはるかに超えていた相手の力に驚愕していた。以前、ニセ夏油に言われた、自分の強さは甘く見積もって宿儺の指8、9本分。それは本当に甘い見積もりだったことを思い知らされる。渋谷のビル群を沈めるほどの溶岩の海、隕石召喚の「極ノ番・隕」でさえかすり傷1つ付けることはできず、軽く力を振るっているだけの宿儺にただただ圧倒されてしまう。そんな漏瑚に宿儺が持ち掛けたのが、漏瑚の土俵、炎による火力勝負だった。 宿儺の術式は切断・斬撃だと思っていた漏瑚は、宿儺が炎を操ることに驚きの目を向ける。漏瑚の火球、宿儺の炎の矢。勝負は一方的だったのかもしれない。自然呪霊たちが還る先なのか、真っ白い空間で漏瑚は花御、陀艮と再会する。ここで見せたのは、呪霊ではあるが、人間的な漏瑚の心だった。3人の感傷的なシーンに加え、宿儺から送られた「誇れ オマエは強い」という手向けの言葉に、自分でも分からない感情を覚え涙をこぼす漏瑚の姿。 印象深く刺さったこのシーンには、「漏瑚の最期は泣いちゃったな。知らない間に好きになってた」「花御、陀艮と話している時の漏瑚の穏やかな顔が印象的でたまらなかった」「漏瑚の涙と燃え崩れる最期、間違いなく今期の名シーン」など、視聴者から様々な感想が寄せられていた。 ■文/鈴木康道