「薄い赤の文字が読めない」「コンロの青い炎がよく見えない」その症状は白内障かも…<誰にでも起こる老化現象>として知っておきたい原因と対策
◆皮質下白内障 また、水晶体の核ではなく外側、水晶体線維細胞のタンパク質の濁りによって起こるものは「皮質下白内障」です。 正常な水晶体をつくる水晶体線維細胞は、規則正しい細胞配列で透明性を保っているのですが、線維細胞のタンパク質が「糖化」などのメカニズムによって、徐々に変化し、タンパク質の集合体をつくってしまうのです。すると細胞の配列が乱れ、光が乱反射してまぶしく見えたり、かすんで見えたりします。 核白内障と皮質白内障の原因になりやすい要素としては一般的に、加齢、紫外線照射、栄養状況、アルコール摂取、糖尿病、薬剤、家族歴などとされてきました。さらには、水晶体の物理的な外傷や、炎症などによる代謝異常などとも関連します。 とくに注意が必要なのが、紫外線や短波長のLEDなどの「光の害」です。水晶体の細胞内タンパク質のトリプトファンは、紫外線を吸収すると活性酸素を生み出します。この活性酸素が、先に述べたタンパク質の集合体をつくり、水晶体が濁るのです。 さらに、糖質のとりすぎも細胞内タンパク質の糖化を加速させ、濁りの原因として大です。 先にお伝えした、光の害から目をまもること、そして、糖化や酸化を防ぐため、「糖質制限食」を中心にした食生活に改めることを普段から意識してください。
◆0.6以下になったら手術適応 白内障にすでになってしまった目は、手術で治します。現代では、それしか方法がないのです。とはいえ、この手術と多焦点レンズが劇的に進歩していますので、手術後には裸眼でよく見える目になります。 白内障の手術とは、簡単にいえば、レンズの役目を果たしてきた水晶体が濁って見えなくなったので、手術で新しい人工レンズに入れ替え、視機能を回復させる手術です。 手術を受けるにあたっては、まず目の機能について検査をします。最初に行うのは視機能の代表、「視力」の検査です。 どの程度、視力が悪化したら白内障手術のタイミングかというのは、一人ひとりの希望が違うので一概には言えないものの、1つには、「運転免許の視力検査に通るかどうか」が判断基準になります。 実際は取り締まりがゆるいのですが、日本の普通免許の合格視力は0.7以上です。つまり0.6以下になったら手術適応ということです。