筒香が最後まで納得できる決断を
どんな決断を下すのか。筒香嘉智内野手(32)はマイナー契約を結んでいたジャイアンツを退団することを決めた。形式上は、オプトアウト(契約破棄条項)の行使だが、実質的にはリリース(解雇)の措置だった。今後はフリーエージェント(FA)選手として、日米の全球団と交渉が可能となり、所属先を探すことになる。
「必要としていただけるところで精いっぱい頑張ります」
傘下のマイナー組織でも球団が保有できる選手の人数に上限があり、そこかれも漏れる、という通告を受けたという。招待選手として参加していたメジャーのキャンプをオープン戦から降格したのは、3月13日。2月下旬に腰の張りを訴えるなど12日間、ゲームメンバーから外れてしまったことも影響し、アピールの機会を逸した。結局、オープン戦への出場は降格が決まるまで5試合にとどまり、チャンスは10打席のみ。8打数1安打(2四球)、打率・125、2打点だった。
日本球界への復帰を含め、筒香はどんな進路を選ぶのだろうか。昨季はレンジャーズ傘下3Aのラウンドロックを退団後は米独立リーグ・スタテンアイランドと契約するまで約1か月半、実戦の機会を離れた。今季、筒香があくまでメジャーでのプレーを目指すのであれば、なるべく試合に出続けながら、打撃力をアピールする必要がある。昨季のように米独立リーグでプレーするのか、あるいは開幕後に選手登録に動きがあることを見込んでメジャー傘下のマイナーからのオファーを待ち続けるのか。そして、日本球界への復帰はあり得るのか。
いずれにしても貴重な現役選手の期間。28歳で海を渡り、今は32歳。米球界ではベテランに差し掛かる年齢だ。ジャイアンツのマイナーキャンプへの降格が決まった際には「選手である以上、プレーしたい思いがある」と残留しながら、その後のチャンスをうかがう考えもあった。次の所属先、プレーする環境がいつ決まるのか。それは、分からない。筒香は代理人と連絡を取りながら、今はひたすらにオファーを待ちながら、練習を続けるしかない。