上沼恵美子「イタリア旅行で離婚を切り出して8年、別居6年でも別れない理由。私が買ったマンションで暮らす夫への気待ち」
◆イタリア旅行で離婚を切り出して プライベートでも変化がありました。私は6年前から夫と別居していて、週末だけ一緒に過ごす生活を続けてきました。それが昨年の11月から、夫に1度も会っていないんです。いないんですよ、今の私の人生に。どうしてこうなったのかな――。 夫と出会った時、私は20歳でした。8歳年上の夫はテレビ局のディレクター。立ち居振る舞いはスマートで品があり、知的な風貌。私は息吸って吐くのもできないくらい彼のことが好きで、22歳の時に結婚しました。 新婚旅行は最高でした。外国でパッと現地の地図を広げてエスコートしてくれるし、レストランではナプキンでそっと口を拭う仕草に惚れ惚れ。でも、夢見心地で帰国するや、姑も一緒の小さい建売住宅での生活に。 私は長男を産んですぐ仕事に復帰し、姑の世話をしながら夫にも尽くしました。でも夫は、家事は絶対に手伝わない人。妻にやさしい言葉ひとつかけない。私の仕事にまで、「東は滋賀、西は姫路まで」「歌は歌うな」などと条件をつけてきました。 子どもが巣立つまでは平和やったんです。子どもなしに夫婦で顔をつき合わせる時間が増えるにつれて、じわじわと嫌になって、体調まで悪くなっていく。夫源病というんですね。はっきりした理由なんてありません。 彼はいい人です。でも、赤の他人になりたい、実家の墓に入りたい。……これはどこの神経が言わせるんですかね。わからないんですよ。自分の心の中なのに整理ができないんです。 それで8年前、2人でイタリア旅行に行った時に、フィレンツェのレストランで離婚を切り出しました。夫は激怒し、バーンとテーブルを叩いて店を出て行ってしまった。「恵美子は僕にぞっこん」という自信があったから、こんな展開は予想もつかなかったようです。 私は帰国後に弁護士を立てて話を進めようとしたけど、離婚は手続きも大変で、なんだか面倒くさくなってしまって。それで夫には、家から車で10分くらいのところにあるマンションに移ってもらいました。すごくいい物件で、天井の高いペントハウス。あ、もちろん私が買ったんですけどね。(笑)