<ここに注目>好投手同士の対決に 日大三島vs金光大阪 選抜高校野球
日大三島・加藤大登主将の話
チームの全体的な力は下級生に頼っているところもあるが、試合では上級生がしっかり引っ張りたい。1球に対する厳しさを自分たちの中で意識できている。どこが相手でも一戦必勝で頑張る。
夏の甲子園にも1回
日本大学三島高校は、三島市文教町にある私立の中高一貫校。日大の付属校でもある。「自由と規律」を教育方針に掲げ、「国際社会で指導的立場で活躍できる人材」の育成を目指す。 創設は1958年。2021年5月1日時点の生徒数は1854人(男1005人、女849人)で、日大の付属や準付属などの高校で2番目に多い。進学クラス▽特別進学クラス▽国際クラス――の3クラスを設置し、グローバル教育やキャリア教育などを重視する。 文武両道を目指し、中学校の段階から部活動にも力を入れている。野球部は春と夏で1回ずつの甲子園出場経験がある
「全員野球、貫いて」OB会長の長谷川記一さん
2021年秋、チームは大会を勝ち進むごとに力をつけました。11月の東海大会では、8月の県大会東部地区予選から見違えるほど成長した姿を見せてくれました。(九回裏2死から逆転サヨナラ勝ちした)県大会準々決勝の掛川西戦が大きな転機となったのでしょう。 私が3年だった38年前の1984年3月、日大三島はセンバツに初出場しました。夢だった甲子園の土を踏むことができ、「努力をすれば、夢が現実に変わる瞬間が訪れる」と実感しました。2回戦で敗れましたが、2戦とも超満員の観客を前に、身震いしたのを覚えています。 甲子園の舞台では、ベンチ外のメンバーも含めて、今まで貫いてきた「全員野球」をやってもらいたい。そして、甲子園で野球ができることに感謝し、そのうれしさをかみしめて、プレーしてほしいです。
金光大阪、悲願の甲子園初勝利へ
部員の新型コロナウイルス感染などで新チームの始動が遅れた上、緊急事態宣言で自由に活動できなかった。秋季大会までに練習試合はわずか2試合。横井一裕監督は、13年ぶりの甲子園への道のりを「思うように活動できず、本当に難しいスタートだった」と振り返る。 そんな苦境で光ったのがエース右腕・古川温生(3年)だ。身長170センチ、体重70キロと小柄ながら最速140キロの直球と2種類のスライダーで「三振は狙って取れている」(古川)。OBでプロ通算90勝を挙げた吉見一起さん(元中日)が昨年から特別コーチとなり、月に数回助言を受けている。古川は「マウンドでの心構えを教えてもらい、気持ちに余裕を持って投げられるようになった」と話す。 打線は勝負強い打撃を見せる岸本紘一(3年)、昨秋の公式戦10試合で13打点を挙げた貴島琉惺(3年)らが中心。バントやエンドランなども絡め、得点を狙う。逆境を乗り越え、悲願の甲子園初勝利を勝ち取りたい。