⚽清水エスパルスがJ2優勝 22年ぶりタイトル ホームでいわきに1-0 第37節
サッカーJリーグ2部(J2)の清水エスパルスは3日、静岡市清水区のIAIスタジアム日本平で行った第37節でいわきFCに1―0で勝ち、2位の横浜FCが引き分けたため、1試合を残して優勝を決めた。清水がタイトルを獲得するのは2002年のゼロックス・スーパーカップ以来、22年ぶり。 互いに好機を生かせずに迎えた後半36分、MF西沢健太(28)のCKからDF蓮川壮大(26)が押し込んで先制した。後半は相手にシュートを打たせず、1点を守り切った。 クラブ史上初めて2季連続でJ2となった今季、第4節以降は3位以上をキープする安定した戦いを見せた。リーグ中盤にアウェー4連敗と敵地での戦いに苦しんだが、途中出場の選手や新戦力の活躍もあり、夏場以降に立て直した。 ホーム戦はここまで14勝3分け1敗と、サポーターの大声援を受けて強さを見せた。最終節は10日、ロアッソ熊本をホームに迎える。 【評】清水はいわきに1―0で勝利し、リーグ優勝を決めた。 序盤は自陣での組み立ての段階でパスを奪われ、シュートまで持ち込まれる場面が目立った。前半34分にFKからFWタンキ、CKからMF中村が立て続けにヘディングシュートを狙ったがいずれも防がれた。 何度もセットプレーでチャンスを演出していたMF西沢のCKから、後半36分にDF蓮川が先制。守備面でも最後まで集中を切らさず、逃げ切った。 ■蓮川、プロ初ゴールが優勝弾! 総力戦でつかんだシャーレ オレンジサポーターが2週連続で歓喜に沸いた。前節アウェー栃木戦でJ1復帰を決めて帰ってきたホームで勝利を収め、2位横浜FCが引き分けたため、J2優勝が決定。「This is エスパルス」。秋葉監督の雄たけびがアイスタに響き渡った。 総力戦でチャンピオンの座に上り詰めた。DFを中心に複数の主力にけが人を抱え、主将のFW北川は前節の退場で出場停止。前半はボールロストからポスト直撃のシュートを打たれるなど、先発の平均年齢が約3歳若い相手に押され気味だった。 そのムードを一掃したのがDF蓮川。後半36分、MF西沢の右CKからMF中村がニアでそらしたボールを中央でたたき込んだ。「ハーフタイムに(セットプレー担当の)依田コーチから空いているスペースを聞いていた」。狙い通りに仕留めたプロ初ゴールが“優勝弾”となり、満面の笑みを浮かべた。 秋葉監督は目の前の勝負に集中するため、横浜FCの試合経過を耳に入れず、選手にも伝えなかった。試合終了のホイッスルを聞いてから初めて結果を知り、歓喜の輪の中心になった。 表彰式で、この試合の主将を務めたDF原がシャーレを掲げ、最後は北川の元に渡った。「自分がそうだったようにこのクラブで戦いたいと思ってくれた子どもがいるはず」。下部組織出身のエースが引っ張ったチームが歴史を紡いだ。 ■西沢「北川を優勝キャプテンに」 正確なキックで決勝点生む 下部組織出身のMF西沢が正確なキックから決勝点を生み出した。「日頃妥協せずに練習しているのは自分で誇れる。コンディションを落とさず、いいイメージで試合に臨めていた」と喜びをかみしめた。 何度もチャンスにつなげてきたセットプレーが終盤にようやく実った。前半34分、立て続けに得たFKとCKに味方が合わせたが、相手GKの好守に阻まれた。それでも「ずっと感触が良く、狙ったところに蹴れていた」。後半36分のCKがDF蓮川の得点につながった。 「(北川を)優勝キャプテンにしてあげたいとみんなが思っていた」。下部組織の同期がチームの願いを成就させた。
静岡新聞社