神戸税関と淡路屋、コラボ弁当で「密輸阻止」 ひっぱりだこ飯で情報提供訴え 全国で販売へ
違法薬物や銃器の密輸に関する情報提供ダイヤルの周知を目指して、神戸税関が駅弁の製造販売を手がける老舗「淡路屋」(神戸市東灘区)の協力で、「神戸税関版 ひっぱりだこ飯」(税込み1680円)を完成させた。おなじみの坪型容器に税関旗の模様などがあしらわれた逸品で、28日から全国で販売を開始する予定。約1万個が淡路屋の各店舗などに並ぶ。(村上貴浩) 【写真】容器に税関旗をあしらった「神戸税関版 ひっぱりだこ飯」 神戸税関によると、違法薬物や銃器などの密輸入を水際阻止するには情報提供が重要といい、1996年から専用の電話番号(0120・461・961)を設けてきたという。しかし、直近5年間の情報提供件数は全国で年間約200~400件で、知名度向上が課題となってきた。 昨年12月、神戸税関の職員山下顕さん(45)が、淡路屋とのコラボを発案。山下さんは数年前に出張に行った際、駅の売店で淡路屋が手がけたコラボ弁当に一目ぼれしたといい「淡路屋さんのホームページを日課のように見ている。自宅には容器のコレクションもある」と長年、神戸税関とのコラボを熱望していたという。 タコや穴子などの具材がのった同社の定番商品「ひっぱりだこ飯」の容器に、海と空と陸地、そして税関を表す青と白の背景に赤い円の税関旗の柄を施し、情報提供ダイヤルの番号も記載。馬場義郎神戸税関長は「皆さんに親しまれている商品で宣伝効果は高い。まず税関を知ってもらい、密輸の情報を集めて有効活用したい」と力を込めた。