「毎日泣いてクサっていた」りんごちゃん「誰も笑ってくれない…青森とは違う」下積み時代を変えた上司の「何げないひと言」
その瞬間、雷に打たれたような感覚になりました。「えーっ、そうかもー!」ってすごく納得したというか。芸能界で輝くために上京したのに、「何もチャンスがない」と嘆いていたらあっという間に30歳になってしまった。それなのに、自分自身は高校時代から15年くらい変わっていないことに上司のひと言で気づきました。 しかも、その日が6月26日、私の30歳の誕生日だったっていうのも奇跡としか思えなくて。それからすぐに、自分の怠惰な生活習慣を見直していきました。そうしたら、不思議なことにまわりの人との関係性がどんどんよくなっていって。数年後、『ウチのガヤがすみません!』の出演依頼があり、ありがたいことにみなさんに知っていただけるようになりました。
── その上司の方とは、今もやりとりがあるのですか? りんごちゃん:今もお世話になっています。上司からの言葉は、人によっては「厳しいな」って思われるような内容だけど、相手のことをちゃんと考えていないと出てこない言葉だと思うんです。 相手と関わるのがめんどうだと思ったら、適当に取り繕った優しい言葉をかけるはずですよね。なのに、その上司はズバッと言ってくれる。思いを感じたからこそ、私は素直に納得することができました。
今も私がヘコみそうになったとき、喝を入れるような言葉をくれるんですが、それがすごく自然に、スッと入ってくるというか。いつも見守ってくれているなって思える存在です。 PROFILE りんごちゃん 青森県生まれ。2019年にテレビ番組『ウチのガヤがすみません!』の出演をきっかけにブレイク。“ギャップ芸”という新しいものまねで、子どもからお年寄りまで幅広い層から愛されている。青森県十和田・奥入瀬観光大使としても活動中。
取材・文/高梨真紀 写真提供/りんごちゃん
高梨真紀