チェジュ航空の務安事故、米国でフライトレコーダー解析
韓国の国土交通部(日本の国土交通省に相当)は現地時間1月1日、務安(ムアン)空港で昨年(24年)12月29日に起きたチェジュ航空(JJA/7C)のバンコク発務安行き7C2216便(ボーイング737-800型機、登録記号HL8088)事故について、CVR(コックピットボイスレコーダー、操縦室音声記録装置)から抽出したデータを音声へ変換する作業に2日程度かかる見通しであることと、FDR(フライトレコーダー、飛行記録装置)は米国で解析する方針を示した。 【写真】事故機のフライトレコーダーとボイスレコーダー 国土交通部によると、韓国の事故調査委員会がCVRから抽出したデータを音声ファイルに変換する作業を進めており、2日程度かかるという。一方、FDRは損傷状況から韓国国内での解析は不可能と判断。米国でNTSB(米国家運輸安全委員会)の協力を受け、解析することで合意した。 今後はFDRを移送する日程や、韓国側の調査参加者などが決まり次第、米国へ運ぶ見通し。現在の調査団は、韓国側がARAIB(航空・鉄道事故調査委員会)から12人、米国側はFAA(米国連邦航空局)から1人、NTSBから3人、ボーイングから6人の計10人となっている。 7C2216便には、乗客175人と乗員6人(パイロット2人、客室乗務員4人)の計181人が搭乗しており、けがをした客室乗務員2人を除く179人が死亡。1日時点で全員の身元確認を終え、臨時安置所に168人が安置されており、11人は葬儀場へ運ばれた。午前11時からは、遺族らが事故現場を訪れて追悼式が行われ、遺族に対する特別休暇などの支援措置を協議しているという。
Tadayuki YOSHIKAWA