内灘、電柱さらに傾く 各自治体、地震被害確認急ぐ
石川県内の各自治体は被害状況の調査に追われた。県によると、津幡町で顔を打って軽傷を負った70代女性のほかにけが人の報告はない。 ●「早くなんとかして」 元日の地震で液状化被害が発生した内灘町室では、県道松任宇ノ気線の電柱が大きく傾いているのが確認された。近くに自宅があり、町内の仮設住宅に避難している70代男性によると、26日の地震前と比べて傾斜がひどくなった。ここ数日の雨に加え、地震の揺れが影響した可能性がある。無人の自宅は電柱の傾きによる電気事故を防ぐため、ブレーカーを落とすという。 区長の水野博幸さん(66)は「これ以上県道側に傾いたら車が通れなくなり、何より危ない。一日も早くなんとかしてほしい」と早急な復旧を願った。 北陸電力送配電は朝から県道などをパトロールした。広報担当者は「電柱の被害が確認されれば、対応を検討していく」と話した。 国土交通省能登復興事務所は27日、奥能登豪雨で土砂崩れが起きた輪島市杉平町の国道249号輪島バイパスで、26日の地震による被害状況を確かめた。同事務所の依頼を受けた業者が土砂崩れの現場や周辺を巡回し、交通に支障が無いかを確認した。 ●志賀、放射線異常なし 北陸電力によると、運転停止中の志賀原発1、2号機の設備に異常はなく、原発に設置している放射線監視装置(モニタリングポスト)の数値にも変化はなかった。敷地内に海水を引き込んでいる取水槽の水位計では、平常時からプラス約60センチ~マイナス約70センチの変動があった。水位の変動による設備への影響はない。 ●27日災害ボラ中止 能登半島地震や9月の豪雨からの復旧作業に当たる石川県の災害ボランティアは「余震の恐れがあり、安全を確保できない」として27日の活動を中止する。羽咋市や志賀町、中能登町は自主避難所を開設し、数人が利用した。 北陸鉄道によると、地震を受け、浅野川線で橋の安全確認を行ったため、26、27日に計2本が全区間、計6本が内灘―三ツ屋間で運休した。27日正午現在、通常運行に戻っている。 震度1以上の揺れは東北から四国の広範囲で観測した。