モノを捨てない努力が地球を守る。話題の循環型プラットフォーム「Loop」の正体
「モノを捨てない」ことで、地球環境を守る。ゴミを出さない“ゼロ・ウェイスト”な社会を目指すグローバル企業「テラサイクル」社のある取り組みが今、SDGsの観点から注目を集めている。それが日用品や食品を、再利用可能な容器で販売することで環境負荷を減らす、リユースのプラットフォーム「Loop(ループ)」だ。 【写真9点】「話題の循環型プラットフォーム『Loop』の正体」を写真でチェック
今回THE BLUEKEEPERS Projectとして、テラサイクル・Loopの日本法人で代表を務めるエリック・カワバタさんに、お話しを聞いた。
「捨てるという概念を捨てる」リユースプラットフォーム
ーーテラサイクル社のミッションやLoopのサービス内容を詳しく教えてください。 エリック・カワバタ氏(以下エリック) テラサイクル社のミッションは廃棄物をなくすことです。まずは廃棄物のあり方そのものを考え直す必要あると考えます。 例えば、洗剤やペットボトルなどのプラ容器は処理の前に、選別や洗浄を行うことでリサイクルが可能になる廃棄物ですが、元々使い捨ての容器はリサイクル前提で作られているわけではありません。リサイクル原料にするためには向き不向きがあり、実際にリサイクルするときは、樹脂を溶かして原料を作り直すので、強度や質も変わります。それにより、どうしてもリサイクル過程でマテリアルロスが発生する課題があります。 ーー日本ではゴミの分別がずいぶん前から行われているので、廃棄されたプラ容器は当然リサイクルがされていると思っていました。 エリック 強度や質、マテリアルロスのことを踏まえると、すべてのプラ容器をリサイクルできるわけではありません。本来は、リサイクルする前提で商品を設計しなければならないんです。つまり、最初からゴミにならないように物を作ることが大切。そうしなければ循環経済は達成できません。 その点で言えば、使い捨ての容器とリユース容器がありますが、資源を循環させるためには、圧倒的にリユース容器が環境負担を減らすことにつながります。廃棄物ゼロを目指す中で、環境にメリットのあるリユース容器を使い捨てと同様の利便性を担保しながら作れないかと考え出したのが、Loopというシステムです。