「他党から引きはがし工作も…」石破茂首相が謀る“野党と大連立ナシ”で「過半数維持」の権謀術数
「この程度で良かったなと思いました」 10月28日放送のTBS系『ひるおび』でそう語ったのは、政治ジャーナリストの田崎史郎氏だ。 【写真】「永田町で話題」可愛すぎる美人秘書! 27日の衆院選で自民党は公示前の256議席から大幅に減らし、当選191人だった。これに田崎氏は 「僕は(自民で)最悪180いくと思った」 「第一党が立憲民主党になるという話も出ていた」 などと明かした。 ◆立憲民主党180、自民党175という衝撃予想も この話は決して言い過ぎではない。 選挙戦最終盤にあるメディアが直前調査を行った。その際に出た数字が「立憲民主党180、自民党175」という衝撃的な結果だった。 「比較第一党が立憲民主党ということですからね。自民党幹部は顔面蒼白になっていました」(全国紙政治担当記者) しかし、結果は自民191に対し、立憲は148議席。比較第一党の座は自民党が死守した。政界関係者は 「たしかに自民党は大敗を喫した。しかし、“壊滅的”な敗北の一歩手前で踏みとどまった。石破首相は辞める気はなく、政権を維持するためにあの手この手を駆使するつもりだ」 と語る。 自公合わせた議席は215で、過半数の233には18議席足りない。自公過半数割れは選挙前から想定されており、今回の衆院選で7→28議席に大躍進した国民民主党との連立もウワサされているが……。 石破首相は10月28日に行った記者会見で 「いま、この時点で連立を想定しているわけではない」 とコメント。その後、国民民主に政策ごとに連携する「部分連合」を呼びかけたが、政策によって“貸し借り”が生じるため、やはり与党側は自分たちの政策が実現しやすいよう、「過半数」を取りたい考えに変わりはない。 そのための“計算”は机上の上ながらできているという。まずは裏金問題などで非公認となった世耕弘成氏、平沢勝栄氏、萩生田光一氏、西村康稔氏の追加公認だ。 「萩生田氏なんかは石破首相に恨み骨髄だが、個人で政治活動を行うには限界がある。不満タラタラながらも、追加公認となるだろう。微妙なのは二階俊博元幹事長の三男である伸康氏に勝利した世耕氏。旧二階派からの反発は強いが、背に腹は代えられない」(前出・全国紙記者) 手続きが滞りなく進めば、議席は219。残り14議席については、与党に協力する可能性のある無所属当選議員を懐柔するつもりだという。 ◆無所属だけでなく“引きはがし”の仁義なき戦い 「水面下では8人の無所属議員の名前が挙がっています。大分2区の広瀬建氏はもともと自民党に公認を求めており、相思相愛。ほかに元立憲民主党の松原仁氏(東京26区)や、元テレビ朝日記者で元鹿児島県知事の三反園訓氏(鹿児島2区)の名前もあります。彼らが全員首を縦に振れば、議席は227にまで伸び、過半数が見えてきます」(永田町関係者) 残り6議席。ここからは少数政党に狙いを絞っていくという。 今回の選挙で3議席を獲得した参政党、同じく3議席を獲得した日本保守党と協力関係を構築したい考えだ。 「参政党はともかく、日本保守党は協力の見返りとして、思想が似ている高市早苗氏の“復権”を求めてくる可能性がある。それを石破首相ら現執行部がのめるかどうか。3議席は虎の子だが、その3議席で混乱をきたすのも困るだろう」(前出・全国紙政治担当記者) このほか、他党からの“引きはがし工作”も活発になっている。 すでに国民民主党の某議員のもとには、自民党からの“お誘い”があったといわれている。前出の全国紙記者の話。 「政界は一寸先は闇。衆院選が“表の世界”なら、いま行われているのは“裏工作”。自民党とすれば、国民民主や維新といった野党と連立を組んでややこしくなるよりは、無所属議員や少数政党を口説きにいったほうが身軽でいい。ただし、同じことは野党第一党の立憲民主党も行っているわけで、水面下の切り崩し工作は苛烈さを増しています」 どちらにせよ、以前のような“自民1強”時代は終わりを告げた。来年7月には参院選も控えている。生き残りを懸けた石破政権の権謀術数はうまくいくか――。
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