ヤクルト・長岡秀樹、倍増以上の9200万円…球団遊撃手3番目 来季日本最終年の村上を「優勝して気持ちよく」メジャーへ送り出す
初の打撃タイトルとなる最多安打に輝いたヤクルト・長岡秀樹内野手(23)が20日、東京・北青山の球団事務所で契約更改交渉に臨み、5100万円増の年俸9200万円でサインした。5年目の今季は初めて全試合に遊撃で先発出場。来季の目標に打率3割、リーグ優勝を掲げ、来季終了後にポスティングシステムによる米大リーグ挑戦を容認されている村上宗隆内野手(24)を優勝して送り出す決意を示した。 大きな飛躍を遂げた。倍増を超える大幅昇給。年俸9200万円は球団の遊撃手では宮本慎也の1億8500万円(2008年)、池山隆寛の1億5000万円(1994-96年)に次いで3番目の高額年俸となり、長岡は「最大限の評価をしていただいたので、言うことはない。いろんなことを経験できたシーズン。いいことも悪いことも、こういうシーズンを毎年送れたら」と来季への思いを新たにした。 5年目の今季は初めて全試合に遊撃で先発出場。自身初の打撃タイトルとなる最多安打(163安打)に輝き、両リーグを通じて最多得票でベストナインに選出された。リーグの規定打席到達者で最下位の打率・227に終わった昨季から一気に開花し「シンプルに『H』ランプがつけばいいという考えになれたのが一番大きかった」と振り返った。 満足することなく、進化を誓う。「今年のスタイルが来年も通用するとはかぎらない。進化した自分で挑めるように。進化できるなら何でもやる」と今季は・288で届かなかった打率3割を目標に掲げた。 色紙には「勝」の文字を書き込んだ。「優勝することもそうだし、僕自身、まだ立場が確立されている選手じゃない。また一からチーム内の競争に勝つ。弱い自分に負けないように自分に勝つ」。今季限りで引退した青木宣親氏(来年1月1日付でGM特別補佐に就任)の合同自主トレにともに参加した村上は、来季終了後のポスティングシステムによる米大リーグ挑戦を容認されている。「ムネさん(村上)という存在は大きい。来年が最後かもしれないシーズンで優勝して、気持ちよく行ってもらえたら」とV奪還を誓った。 活躍を重ねた先には、2026年のWBC出場への道も開けてくる。「まだまだそのユニホームを着る実力もないので、自分が結果を出して呼ばれることがあれば光栄」。燕の顔から、球界を代表する遊撃手へ―。長岡は変化をおそれず挑戦を続ける。(浜浦日向)