養殖漁業、天然漁業を初めて抜く FAO報告
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【6月11日 AFP】2022年の水産物生産で養殖漁業が初めて天然漁業の割合を上回った。このほど発表された報告書で、世界の食糧需要における養殖漁業の重要性がますます増していることが明らかになった。 国連食糧農業機関(FAO)が先週、コスタリカで開催された海洋保全に関する専門家会議で発表した報告書によると、2022年の養殖漁業の生産高は9440万トンで、水産物生産全体の51%を占めた。人間の食品用水産物に限ってみると、養殖水産物の割合は57%に上った。 FAOによると、水産食品に対する世界需要は増加の一途をたどると予想され、健全な食生活維持のためには持続可能な生産量の増加が不可欠とされる。「食料安全保障と栄養にとって、水生食物システムが不可欠であるとの認識は深まっている」と報告書は述べた。(c)AFPBB News 報告書によると天然漁業の生産高は過去数十年、ほとんど変化がないのに対し、養殖漁業は2020年以降6.6%増加している。 世界人口は2030年までに85億人に達すると予測されている。FAOは「増加する人口に十分な食糧や栄養などを提供するためには多額の投資が必要だ」とし、「水産養殖は大きな役割を担っており、特にその大きな可能性がまだ生かされていないアフリカで注目される」と指摘した。(c)AFPBB News