ボートレースの戸田公園、埼玉県が国有地を58年間無償使用…会計検査院が「手続き不備」指摘
ボートレースの開催などで知られる埼玉県営戸田公園(戸田市)内の国有地について、国の手続きの不備などにより、同県が無償で58年間使用していたことが会計検査院の調べでわかった。国有地にはレース結果やオッズなどが表示される大型の電光掲示板があるが、国に無断で設置されている状態が長く続いていた。 【写真】会計検査院が指摘した東京五輪の「ムダ」の一つ…大量の食品ロスを招いた弁当
検査院によると、同県は1966年、園内の国有地(約2万平方メートル)について、国に無償貸し付けを申請。国は、契約締結までの間は県に管理を「委託」する形で、無償で使わせることにした。その後、国は有償での貸し付け方針を決めたが、交渉は停滞し、合意できなかった。このほか、一部の国有地を巡り、戸田市が「市の土地だ」として登記するなどしていた。
一方、ボートレースを主催する企業団は82年、漕艇場(そうていじょう)近くの国有地に大型掲示板を設置。国は承認していないが、撤去を求めるなどしなかった。
一連の問題が長く続いたことについて、検査院は「国が国有地を適切に管理する認識に欠けていたことが原因だ」と指摘。財務省は「県と具体的な協議を始めており、契約するなどして適切に対応する」とした。