約13年ぶり 新規制基準をクリア 7日に島根原発2号機が再稼働の見込み 課題は
7日、島根県松江市にある中国電力島根原子力発電所2号機が約13年ぶりに再稼働する見込みです。 「日本の原発では事故は起きない」という安全神話を打ち砕いた福島第一原発事故を受け改めて設けられた新規制基準をクリアしての再稼働で、安全第一の運用が求められます。 【写真を見る】約13年ぶり 新規制基準をクリア 7日に島根原発2号機が再稼働の見込み 課題は 2012年1月に定期検査のため運転を休止した島根原発2号機。 前の年の福島第1原発事故を受け原発の規制基準が強化されたことで、それをクリアしなければ再稼働出来なくなりました。 この間、新たに設置された原子力規制委員会が、原発の近くを走る宍道断層や原発周辺の地質を調べたり、新たな安全対策設備を確認するなど現地調査や審査を続けて来ました。 規制委員会は2021年9月に2号機の設置変更許可を出し、翌年6月の島根県を最後に関係自治体と呼ばれる2県6市も再稼働の容認を判断。 さらに残っていた設計及び工事の計画の認可と保安規定変更認可が今年5月までに全て終わったことで、中国電力は再稼働に向けた動きを本格化させていました。 原発の再稼働に反対する山陰両県の住民グループが運転差止の仮処分を広島高裁松江支部に申し立てましたが、高裁は、「重大事故が発生する具体的危険性が示されたとはいえず前提を欠く」などとして、訴えを却下しています。 住民グループが問題視した避難計画の実効性については判断されませんでした。 しかしいったん放射性物質が放出されるような重大事故となれば、山陰最大の人口集積地である中海・宍道湖地域から原発30キロ圏内の住民だけでも最大45万人が県内外へ逐次避難を迫られることになります。 11月に行われた広域避難の訓練では、今年、元日の能登半島地震を参考に地震との複合災害で自宅が倒壊し屋内避難出来なくなった人が近くの公共施設に避難することや、がけ崩れなどによる道路寸断を想定し迂回路を使って県内外に避難する訓練が行われました。 しかしこの日の住民参加者は島根県内の各会場合わせて355人で、実際に数十万人が整然と移動できるのかどうか不安が残ります。