富士山と宗教(2) 御師と富士講の関係とは? 歴史を紡ぐ御師家「筒屋」
信者回りは18代目までだったようだ。他の御師家の話しでも、信者回りをしていたのは2代前くらいまで。現在は御師による信者回りは行われていない。そもそも富士講信者の数が減ってしまい、御師をしているだけでは生計が成り立たない現実がある。真の意味での御師はもはや上吉田にはいない、と言えるのかもしれない。 信者にかわって御師の家を多く訪れるようになったのは観光客だ。御師家の一軒、旧外川家住宅は世界遺産富士山構成資産となり、国の重要文化財として有料で一般公開されている。休み処や駐車場も整備されて、富士山観光に訪れた人たちで連日賑わっている。上吉田の御師の家は、歴史の記憶を今に伝える文化遺産になりつつある。