ドジャース、プレーオフ進出決定も募る不安…短期決戦に不可欠なラインアップを徹底考察!【コラム】
プロスペクトの“大抜擢“はあり得る…?
以前テオスカーのIL入りが可能性として浮上した際にささやかれたのが、MLB.comのランキングでドジャース傘下No.1の評価を受けるドルトン・ラッシングの昇格だ。 2022年ドラフトでドジャース入りしたラッシングは今季初めてAAAに到達し、28試合に出場、打率.273,5HR,OPS.882とマイナーの上位階層でもしっかりやれることを示している。 昨季のポストシーズンではテキサス・レンジャースのエヴァン・カーターが、2022年はヒューストン・アストロズのジェレミー・ペーニャがルーキーとは思えない活躍をした。 投手とは異なり野手陣には故障者がいないため特例が使えない。故にラッシングのロースター入りの可能性は限りなく低いが、頭の片隅に入れておきたい。 最後にプレーオフに関するちょっとした話を紹介する。プレーオフに限らず野球では頻繁に「勝負強さ」が言及される。しかし「勝負強さ」が存在するのかは意見が分かれるところだ。 これについて米メディア『The Athletic』のEno Sarris氏が昨年の10月に書いた記事が非常に面白い。タイトルが「古いプレーオフの迷信について数字は何を示すか」とあり、様々な野球に関する迷信をデータ分析している。 その中に勝負強さ、英語では「Clutch」と呼ぶが、それは選手の特性と言えるかについて言及している。例えば「選手にパワーがある」と言うのはその選手の特性として言える。 大谷翔平は何年も連続でホームランを30~50本量産しているのに対し、ミゲル・ロハスはその11年のキャリアで2桁に届いた年は2018年のみだ。この場合、大谷にはパワーがあるのに対し、ロハスにはパワーがないことになる。 ではこれと同様に「勝負強さ」は特性と言えるだろうか。これを言い換えれば「勝負強さ」があるとされる打者はこれを複数年連続で達成できるかと言うことだ。 記事では近年の研究を挙げ、現在の技術では「勝負強さ」は存在しないこと、存在したとしても非常にわずかな差(打率では.001の違い)であることが判明したとしている。 一方で試合中の心拍数などを測ることで緊張度合いを測り、精神の強さなどを測れば「勝負強さ」が証明できるかもしれないと指摘している。 投手、特にリリーフ陣でもどんな場面でも動じず自分のピッチングをするいわゆる「強心臓」っぷりがときより言及されるが、この能力が科学的に解明されるのも近いのかもしれない。
ベースボールチャンネル編集部