タクシー、バスなど運営会社が新型ウイルス対策 乗務員らにマスク、手洗いを指示
不特定多数の人が利用する公共交通機関の運営会社が、新型コロナウイルスの感染拡大への予防策として、駅員・乗務員らにマスクの着用や手洗いの徹底などを呼び掛けています。交通機関の新型ウイルス対策では、国土交通省が1月下旬から鉄道各社や、バス、タクシーなどの事業者団体に対して、感染予防とまん延防止の徹底を順次要請しています。それぞれの事業者に対応を聞きました。
JR東日本「国交省の要請前から対策」
JR東日本では1月22日、駅員や鉄道の乗務員を含む全社員に対して、新型コロナウイルスが流行していることを改めて周知し、手洗いやうがいの徹底とともに、咳(せき)やくしゃみが出る人はマスクを着用するよう指導しました。 同社広報部によると、国交省の要請よりも前から独自に対策を始めたとのことです。また「今後、感染がさらに深刻な状況になったときには、乗客の方々にマスクの着用をご案内する予定です」としています。
東京都交通局、マスク着用は「許可」不要に
東京都内で地下鉄と路線バスの両事業を展開する東京都交通局では従来、駅員や地下鉄・バスの乗務員は上司の許可を得なければマスクは着用できませんでした。 しかし、1月24日からは、許可がなくとも職員がマスクを着用できるようルールを変更したそうです。そして、31日からは、運行の安全確保に問題がない限り、駅員や乗務員にはマスクを着用するよう指示しました。
タクシー大手、乗務員の手洗い・うがい徹底
都内タクシー大手の日本交通は1月28日、乗務員に対して運行中はマスク着用の上で接客するよう指導しました。また、乗務員を含む社員に対して手洗いや、咳・くしゃみをする際にマスクやハンカチなどで飛散を防ぐ「咳エチケット」、うがいの徹底を指示しました。各営業所には、社員の手を消毒するためのアルコールも用意しました。 一方、同じくタクシー大手の帝都自動車では、感染症の予防に年中取り組んでいるため、新型コロナウイルスのための特別な対策は行っていないそうです。取り組み内容は、せっけんでの手洗いやうがい、咳エチケットの徹底などで、乗務員は必要であればマスクを着用します。車内には消毒のための次亜塩素酸水を常備し、必要に応じて車内に散布するとのことです。