【イスラエル取材記・後編】エルサレム旧市街の“静けさ” テルアビブで感じた異様な日常
■“中東のマイアミ”「テルアビブ」で体験した異様な日常
“中東のマイアミ”とも称されるテルアビブ。11月に入っても日中は温暖で、半袖で過ごすことができる。地中海沿いには砂浜が広がり、安息日の金曜日にはビーチバレーに興じる人が海岸に繰り出していて、一見、平和なように見える。 しかしよく目をこらすと、デート中とおぼしきカップルが男女ともライフルを肩にかけて歩いていた。レストランでの食事中にスマホから空襲警報のアラームが鳴り響くと、客らは食事を中断してシェルターへと移動する。イスラエル軍の防空システム「アイアンドーム」によるドーンという迎撃の音を確認すると、再びテーブルに戻り、何事もなかったかのように食事を続けるという異様な日常が続いている。 血で血を洗うような報復の連鎖で幸せになる人など、いない。こうしている間にも、市井の人々の命が失われている。 ◇◇◇
■筆者プロフィール
末岡寛雄 NNNニューヨーク支局長。日本テレビ報道局で宮内庁、厚労省を担当し、「news zero」のデスク、災害報道担当、サイバー取材班プロデューサーをつとめる。気象予報士。イスラエルへは2005年以来の再訪。趣味は音楽鑑賞。