第10回ふくしま産業賞 銀賞 福島三技協(福島市) ドローン点検実用化
大型風力発電設備への落雷時に電気を地中に流す「接地線」が断線していないかをドローンで点検するシステムを産学官連携で開発、国内で初めて今年実用化させた。 大型風力発電設備の一般的な点検方法はロープやクレーン車を使い、高さ数十メートルの場所で作業する。危険が伴う上、労力も必要だ。ドローンは地上で操作するため安全性が高い。1日でできる作業量は従来の約3倍。人件費などのコストも削減できる。 今後風力発電機の増設は見込まれているが、点検作業員の不足は懸念されている。ドローンの活用で作業の省力化を実現し、再生可能エネルギーの推進を下支えする。 福島県内の小中学校や高校でものづくりの魅力を伝える出前授業を開き、軽量ドローンの操縦体験などを繰り広げている。技術革新を担う人材、福島県復興や地域活性化に貢献する人材を育てたいとの思いからだ。 後藤貞明社長(64)は「県民の期待を力に変え、今後も顧客とともに新しい価値の創造に尽力していく」と意気込む。
◇ ◇ 福島三技協は第8回ふくしま産業賞で銀賞を受けた。 ■メモ ▽設立=1987(昭和62)年10月 ▽社長=後藤貞明 ▽従業員数=161人 ▽住所=福島市土船字明神前1の1 ▽電話番号=024(593)3111