脇元華が大会コース記録タイの63で単独首位 「自分でもビックリしている」/米女子ゴルフ
TOTOジャパンクラシック第1日(31日、滋賀・瀬田GC北C=6616ヤード、パー72)日米両ツアーを兼ねる大会。ツアー未勝利の脇元華(27)=GMOインターネットグループ=が9バーディー、ボギーなしで、大会コース記録に並ぶ63を出して単独首位で飛び出した。米ツアー通算15勝の高真栄(コ・ジンヨン、29)=韓国=が2打差の2位。2021年大会覇者の古江彩佳(24)=富士通=ら4人が3打差の3位につけた。 【写真】カメラに向かってポーズをとる脇元華 最終9番(パー4)は、グリーン手前10ヤードからチップインで9つ目のバーディー。脇元は驚きのあまり、膝をついて喜びを表現した。米ツアーで戦う強敵たちを差し置いて単独首位に立った。 「自分でもビックリしている。ショットの調子がよかったので、自信はありました」 出だしの10番(パー4)で4メートルを沈めると、その後も3メートル前後の好機を次々と作り、これを決めた。63は米ツアー通算72勝のアニカ・ソレンスタム(2003、04年)や宮里藍(04年)らに並ぶ大会コース記録。「藍さんと一緒はめっちゃうれしい」と喜び、自己ベストも2打更新した。 ツアー未勝利の27歳。2週前は日米通算11勝の畑岡奈紗、前週は日本ツアーで2年連続年間女王の山下美夢有と同組で回る機会を得た。「奈紗ちゃんは体幹が強くて軸が安定していた。美夢有ちゃんはどんな傾斜からでも同じスイングをしていた」。日本女子トップレベルの2人を観察して「学ぶことが多くて、スイングがよくなった」といい、結果につなげた。 ゴルフに打ち込むようになった原点は米ツアーだ。中学2年時の2012年2月、合宿先のタイで開催されていた「ホンダLPGAタイランド」を観戦。2位だった宮里藍や、ミシェル・ウィーらの姿を見て「スイッチが入った。いつかここに立ちたいと思って、ゴルフに励むようになった」と目の色が変わった。 今季日本ツアーのポイントランキング35位で出場枠に入り、この大会初出場。優勝すれば、米ツアーの来季シードが一発で手に入る。「勝つことができたら、アメリカツアーにチャレンジしたい」。これ以上ないスタートダッシュから、脇元が人生を変える。(鈴木和希)