【イベントレポート】萩原利久が普段の現場の何倍も考えた「今日空」役作り、河合優実はお団子頭がヒントに
第37回東京国際映画祭のコンペティション部門に正式出品されている映画「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」が本日11月1日に東京・TOHOシネマズ 日比谷で上映。キャストの萩原利久、河合優実、伊東蒼、黒崎煌代、監督を務めた大九明子が登壇した。 【動画】映画「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」特報映像「セレンディピティ」編(他11件) 福徳秀介(ジャルジャル)による恋愛小説を実写化した本作は、思いがけない出会いから始まる大学生の最高純度のラブストーリー。萩原が冴えない毎日を送る主人公の小西徹、河合が誰とも群れない孤高の存在だった桜田花を演じ、伊東が小西のバイト仲間・さっちゃん、黒崎が小西の唯一の友人・山根に扮している。撮影は福徳の母校である関西大学の全面協力のもと、関西を中心にオールロケで行われた。 原作のどこに魅了されたか問われると、大九は「観る前の方々の前ではなかなか言いづらいところ。とあるシーンで、登場人物の1人がものすごい熱量を持ってしゃべりだす。小説としてはありえないページ数。これを映像にするのは、とてもチャレンジングで面白そうだと映像化のイメージが湧いてきました」と明かす。 本作に臨むにあたって、「冴えない大学生」「日傘を差している」などの特徴を起点に役作りすることを「危険なのではないか」と最初に考えたという萩原。そのアプローチについて「小西の言動には共感できる部分となかなか難しい部分がありました。普段なら自分の中の正解を撮影前に決めていくタイプ。今回はそれが難しくて。正解を決めずに、いつもの何倍も考えて、演技の選択肢や可能性を残しました。現場で皆さんとお芝居をしたり、何かに触れたりする中で見つかっていくものを信じてやろうと思っていました」と振り返る。 一方の河合は、桜田のその特徴的なお団子頭が役を理解するきっかけになったそうで「脚本や小説は小西の目線で桜田が語られるので、最初は小西から見た桜田、もしくは観客から見た桜田を考えました。彼女の姿勢や衣装、メイク。外堀を埋めるように、外から見たその人のイメージをヒントにして作っていきました。お団子頭は大きな最初の取っ掛かりになっていると思います」と明かす。 伊東は「原作を読んだときに、文章から、さっちゃんが持つ温かさ、やわらかさ、一緒にいると楽しくなるような印象がありました。読み終わって『さっちゃん大好き!』という気持ちになって、映画を観た皆さんにもそう思っていただけるような、さっちゃんでありたいと思いました」と述懐。大阪出身のためロケ地も地元に近く「自分と近い部分が多かったので、リラックスしながら、そのままの私で、笑顔で、楽しくいようと思って演じていました」と語る。 兵庫出身である黒崎は、原作や台本にあった「~やでんねん」という関西弁に触れ、「基本『~やで』『~やねん』は使うんですが、これはどうやって発音したらいいんだろう?と監督と相談しました」と回想。黒崎は「ラップみたいな感じ」というアイデアで乗り切ったそうで、「カモンメーン(Come On Man)」と同じ口ぶりで「~やでんねーん」と言っていたことを明かして、笑いを誘っていた。 「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」は2025年4月より東京・テアトル新宿ほか全国でロードショー。 (c)2025「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」製作委員会