韓国大手造船3社、13年ぶりに同時黒字の可能性
HD現代造船部門の中間持株会社HD韓国造船海洋が6期連続の黒字となった。 HD韓国造船海洋は31日、7-9月期の連結基準の売上高を6兆2458億ウォン(約6900億円)、営業利益を3984億ウォンと公示した。前年同期比で売上高は24.6%増、営業利益は477.4%増。 7-9月期は季節的要因で操業日数が減ったが、高付加価値船舶の受注が増えて生産性が高まったことで、造船子会社の売上高と営業利益は好調だった。 業績改善はHD現代重工業が主導した。営業利益は前年同期比1497.7%増の2061億ウォン、売上高は同比26.5%増の3兆6092億ウォンだった。HD現代三湖とHD現代尾浦も売上高はそれぞれ1兆6435億ウォン、1兆776億ウォン、営業利益は1776億ウォン、352億ウォンだった。 HD韓国造船海洋の関係者は「高付加船舶物量の増加、エンジンの収益性好調などで堅調な業績が続いている」と説明した。 これに先立ち7-9月期の業績を発表したサムスン重工業とハンファオーシャンも共に黒字を出した。スーパーサイクルに入った国内大手造船3社が年間基準で13年ぶりの同時黒字となる可能性が高まった。国内大手造船3社がそろって年間基準で黒字となったのは2011年が最後だ。 サムスン重工業は7-9月期(連結基準)の営業利益が前年同期比58%増の1199億ウォンだった。赤字の原因に挙げられていた海洋プラントドリルシップの不振を払拭した結果だ。サムスン重工業はLNG(液化天然ガス)運搬船、FLNG(液化天然ガス生産設備)など高収益船種比率拡大効果を得ている。今年7-9月期の累積黒字は3285億ウォンであり、2年連続の営業利益黒字が無難とみられる。 ハンファオーシャンは足かせとなってきた低価格コンテナ船の比率を縮小し、収益性改善を加速させている。ハンファオーシャンの7-9月期の営業利益は256億ウォンで、今年の累積営業利益は689億ウォンとなった。10-12月期にアーニングショック水準の損失さえなければ年間基準で黒字が予想される。 国内造船3社は今年、いわゆる選別受注戦略で、中国造船会社の低価格攻勢の中でも善戦した。中国が集中するコンテナ船よりも、ガス運搬船やアンモニア運搬船など高付加価値船舶の受注に注力した。しかしまだ安心はできない。中国造船会社も好況期を迎え、ドック(船舶建造空間)増設を進めているからだ。 最近は中国造船会社もガス運搬船など高付加価値船舶に関心を向け、競争が激しくなるという見方も出ている。韓国輸出入銀行のヤン・ジョンソ首席研究員は「船主が要求するエコ船舶に対する技術開発に集中し、技術力の超格差を維持してこそ、中国に対して優位を維持できるだろう」と述べた。