大谷翔平が「感銘を受ける」ベッツの向上心、遊撃再転向に燃える「無私のスター」、フリードマン編成本部長「必ずやり切る」
ドジャースは来季、ムーキー・ベッツを外野から再び遊撃手にコンバートさせることを明らかにしている。今季、長年務めてきた右翼から二塁、そして遊撃、再度右翼と内外野の転向を受け入れたスーパースター。フリードマン編成本部長は今月のウィンター・ミーティングの取材で、「これほど、無私のスターはいない」とその姿勢を絶賛した。 ◇ 開幕から不慣れな遊撃のポジションで奮闘していたベッツが、再度、右翼に戻ったのは今年8月だ。6月中旬に手首を骨折し、2カ月近く戦列を離れている間に、ベテランのロハスが遊撃を堅実に守った。さらに、バックアップとしてゴールドグラブ2度のアーメドも補強し、二塁のラックスも徐々に調子を上げてきた。 その時の状況を、フリードマン編成本部長は振り返る。「あの時、ロハスとラックスの二遊間はうまくいっていた。彼は内野に戻りたい気持ちはあるけど、チームにとってより良いことをしたい。僕が外野に戻った方が勝つ可能性が高くなるなら、右翼に戻ると。彼が勝利を本当に重視しているということを、さらに確信した」。 ベッツは右翼への再転向が決まった後も、外野練習の前に、遊撃の練習で汗を流し、課題の送球を繰り返した。今思えば、チーム事情で右翼に戻ることを決めたが、遊撃を諦めたわけではなく、来季、遊撃に再挑戦することは頭にあったのだろう。 フリードマン編成本部長は来季、ベッツの遊撃再転向に自信を示す。「彼は今年(遊撃からの)送球に難しさを感じていた。それは3月に急きょ、遊撃になった影響がある。だが今オフ、既に彼はトレーニングして、遊撃手としての送球を体に染み込ませている。私は彼が必ずやり切ることに疑いはない」と語った。 「勝つために自分は何でもやる」というのが口癖だが、困難なチャレンジを乗り越えたいという思いは人一倍強い。今夏にこう話していた。「もしうまくいかなかったら、悪い記事がたくさん出る。でもそれは受け入れる。恐怖を乗り越えれば、多くの栄光と幸せが待っている」。 メジャーリーガーとして体格で劣ると言われた男は、今やメジャー屈指のオールラウンダーとなった。大谷翔平が「チームメートとして感銘を受ける」と話す、飽くなき向上心。ポストシーズンでは不振脱出のために、1日400~500スイングを課したことも話題になった。今オフ、ベッツが新たな栄光を掴むべく、ハードワークしているのは間違いない。
中日スポーツ