食事は「ジムでプロテイン」 日本ハム時代のコンディショニング担当が明かす大谷翔平の一面
米大リーグ、ドジャースの大谷翔平(30)が21日、3度目のMVPを満票で手にした。打者に専念した今季は「50本塁打、50盗塁」を達成し、ワールドシリーズ制覇にも貢献した。メジャーの舞台で活躍する礎となったのは、日本ハム時代の「枠」にとらわれない練習法にあった。日本ハム時代にコンディショニング担当として支えた白水(しろず)直樹さん(45)は大谷の人間らしい一面を明かした。 【写真でみる】大谷翔平は真美子夫人や愛犬デコピンと受賞喜ぶ 専門局の番組に出演 ■休日返上でトレーニング 白水さんは、大谷の高卒2年目からトレーニングメニューを組み、サポートした。出会った当時は、まだ体は細かったが「想像以上の素材というのは間違いない」と感じたという。 投打の二刀流を実現するためには、多くの練習メニューをこなさなければならない。加えて、将来の大きな目標としていた米大リーグへの挑戦に向けて、体を大きくしていく必要があった。「僕たちの仕事は科学的、医学的な根拠に基づいて指導する。でも、その根拠だけでまとめてしまうと、枠が小さすぎる」。重要なポイントを抑えつつも、柔軟な発想でトレーニングメニューを組むことを意識した。 重点的に取り組んだのが「重心移動」。投打ともに効果的に力を発揮するために必要な動きで「両方に重要なポイントに的を絞り、その動きを洗練させていった」と明かした。 練習量のコントロールも白水さんの役目だった。「自分のやりたい動きの精度を上げるには、休んでいる暇はなかった。1日の練習量が増えると痩せてしまうので、分割した方が効率よく体の筋肉になる」と休日返上でトレーニングに付き合った。大谷が試合前に外で打撃練習をしないのは、肉体的負担を減らす目的もあり、日本での習慣が身についているからだという。 ■ぶつけた怒りの感情 前例のない二刀流への挑戦。周囲にはあまり見せない人間らしい部分も白水さんには見せたこともある。 2017年に右足首を故障した後のブルペンで、投球の際に右足が地面から上がってしまっていた。白水さんが「体重がしっかり前に乗らないから、もう少し右足を引きずるようにした方がよい」とアドバイスをすると、大谷は「やりたいけどできない。わかってます」と怒りの感情をぶつけたことがあった。 「自分のやりたいことにしっかりと向き合っている。だからこそストレスを感じ、イライラすることもある」と感じたという。「みんなが嫌いな長距離のランニングは、そんな好きではなかったし『また走るのか』というような思いはもちろんあった。でも、本当に必要な時は文句も言わずに取り組んでいた」とストイックな一面にも触れる。