須藤昂矢の負けん気がもたらした終了間際の逆転弾で横浜BCが三河に劇的勝利「やり返さないといけない気持ちがありました」
同地区の好調な三河に勝利「この流れをしっかり繋げていけたら」
最後の3ポイントシュートだけでなく、この試合の須藤はドライブからのレイアップも確率良く決め、フィールドゴール8本中5本成功の13得点をマーク。「3ポイントシュートを警戒される分、ドライブが効果的になってきます。苦しい時間帯に決められたのは大きかったですし、そこで流れに乗れたことで最後、打ち切れたことに繋がったのはよかったです」 こう須藤本人も振り返るように、相手ディフェンスに対して、的確なシュートセレクションを行うことで得点を重ね、リズムをつかんだことが最後のビッグショットをもたらした。 前節、横浜BCはホームで島根スサノオマジックに86-98、73-94と共にチームの根幹であるディフェンスが崩壊して連敗を喫した。しかし、この試合は最後まで集中力を切らさずに74失点に抑えた。この堅守をもたらした要因の1つが、オフェンスの終わり方にある。この試合、絶対的エースの河村は、前半でのシュートアテンプトがわずか3本と、打てるタイミングでも自重する場面が目立った。そこには次の意図があったと河村は語る。 「第4クォーターの残り5分など、クラッチタイムになった時、自分が打ちに行かないといけない時間帯で少しのズレの中でも打ちに行くのは必要だと思います。ただ、今チームとして結果が出ていない状況で、それぞれ素晴らしいタレントを持った選手がリズムに乗れるようにしないといけないです」 「仮にシュートが入らなくても、それがチームとしてのシュートなら、その後で良いディフェンスが生まれていきます。良いオフェンスの終わり方ができれば、良いディフェンスに繋がっていくことを意識していました。そういう部分もあって今日は素晴らしいオフェンス力を持ったシーホース三河さん相手に74失点に抑えられたと思います」 今は黒星先行中だが、昨シーズンに続いてのチャンピオンシップ進出を全くあきらめていない横浜BCにとって、同じ中地区で2位につける三河相手に直接対決で勝利したことは大きな意味がある。須藤は、この一戦にチーム全員が強い覚悟で臨んでいたと明かす。「同地区ですごく意識しています。ここからCS争いに繋げていくためには必ず勝たなければいけない相手と全員が理解していた中で、この試合をモノにできたのは大きいです。この流れをしっかり繋げていけたらと思います」 同地区上位チーム相手の勝利に加え、ここまで苦しんでいた要因でもあるディフェンスの立て直しに光明が見えた面でも横浜BCにとってこの勝ちは大きな意味がある。そして、しっかり守って今日のような接戦を勝ち切っていくには、引き続き、須藤のここ一番でのビッグショットも必要となっていく。
鈴木栄一