小林製薬、「紅麹(べにこうじ)」サプリ健康被害受け、“脱・創業家”意向示すも具体性なく
「紅麹(べにこうじ)」成分入りサプリメントをめぐる健康被害問題を受け、小林製薬(本社・大阪市中央区)は17日、創業家依存からの脱却を盛り込んだ再発防止策をオンライン会見で発表した。 紅麹サプリ、倦怠感などさまざまな異常が 一方、前社長らが残る経営体制は維持する方針を示した。また、安全な製品の開発・製造に関する法律やガイドラインを適正に解釈する専門部署も新設する。 これらは、今年(2024年)7月に公表された、外部弁護士による事実検証委員会の調査報告を受けたもの。 その報告書には、▼小林製薬は今年1月に健康被害の報告を受けていたが、行政機関への報告は「因果関係が明確な場合に限る」と社内で判断し、同年3月まで被害を公表していなかった ▼同社大阪工場で2022年11月、紅麹を培養するタンクの内側に青カビの付着が確認されたが、品質管理担当者は「(青カビは)ある程度混じることがある」として、問題視しなかったことなどが判明し、結果的に対応が後手に回ったと指摘されている。 こうした背景に、創業家の強い影響力があったとの指摘もあった。 同社の再発防止策では「同調圧力が働きやすく、多数の役職員が創業家の意向を酌んで業務遂行する傾向があった」とした。 一連の問題を受け、創業家である小林一雅前会長と、長男の小林章浩前社長が引責辞任した。しかし一雅前会長は、7月23日付で特別顧問として、3年任期で通常顧問の4倍の月額200万円を支払う契約を結んだ。 また、章浩前社長は8月8日付で代表権のない取締役となった。 山根社長はこの状況について「創業家との関係を見直し、同質性を排除する」と説明するにとどまり、今後の具体的な処遇については明言しなかった。 このほか、製品全般の製造管理体制についても「責任の所在が不明確で、経営陣も十分に理解していなかった」と述べ、現場任せの体質だったとした。
ラジオ関西