小泉今日子×小林聡美、55歳おさななじみ演じる新作は「“団地”だから描けるテーマと魅力が詰まっている」
昨今団地の高齢化、過疎化が話題になっているが、小泉は「原作ではたくさん描ききれなかった、団地というコミュニティーを通して見えてくる社会みたいなものを、ドラマではすごくフォローできている」と話す。「今後いろんなキャラクターがゲストで出てくるんですけど、それぞれのエピソードで社会に通ずる問題が絡んでくる作りになっていると思います。私が特に印象に残っているのは『親の介護』を扱った回。自分も経験しているので、切実だなと思って撮影していました」と振り返った。小林も「私達世代は高齢の親と向き合う世代でもある」とうなずきつつ、「現実では渋いことでも、ドラマではハートウォーミングに届けられる感じになっているのかなとは思います」と語る。 同学年の小泉と小林は10代で出会い、それからさまざまな作品で共演を重ねてきた。「しょっちゅう会ったり、メールや電話をしたりはしない」「お互い知らない部分も多い」そうだが、「子どものころに見ていた世界だとか、そういうものが共有できる」「嫌なこととか、『ちょっとこれは恥ずかしいな』っていうことの感覚が合っている」と、お互いへの信頼感は絶大。 劇中の野枝と奈津子も、そして小泉と小林も50代。「ノエチとなっちゃんは、団地の中では若手とか、まだ中堅とも言われています。先輩方の何かを手伝ってあげたり、手助けをできる世代。そこに若い人が入ってきたときは、若い人と先輩方をつなげてあげることもできる。独身だし、子どももいないし、自分たちが世の中の役に立つことが少ないなと思っている中で、そのお手伝いができたり、架け橋になれていることが幸せに感じたり、された人もちょっと幸せになれたりと、そんな小さな幸せの循環が描かれている」と語る。 それぞれが思う「幸せ」について尋ねると、小泉は「私自身が幸せだなと思うのはやっぱり、野枝ちゃんと同じで、この世界の中で生きていて、健康で、自分ができることを見つけられているってことが自分にとっての幸せかなと思う」と明かす。一方の小林も、「幸せの循環っていう言葉でいうと、自分が優しくしてもらってちょっとうれしかったことで人にもちょっと優しくしてあげて。そう循環していくのが、いい流れなのかなと思いますし、何より心身ともに健康でいられることは、ちょっと余裕にもなるし、余裕ができると人のことも考えてあげられるし、そういうことから幸せが広がっていくのではないのかなと思います」と話す。 そんな何気ない日常の中にある、小さな幸せを描く本作。小泉と小林の2人が作り上げたあたたかい空気感と共に楽しみたい。 ドラマ『団地のふたり』は、NHK BSプレミアム4K/NHK BSにて毎週日曜22時放送。