立命館が無言館との連携強化、理事派遣や平和教育に力…共同館主に内田也哉子さん
学校法人「立命館」(森島朋三理事長)などは14日、戦没した画学生の作品を集めた美術館「無言館」(長野県上田市)と運営や研究の連携を強化し、共同館主としてエッセイストの内田也哉子さんを迎えたと発表した。就任は6月1日付。 無言館は作家の窪島誠一郎さん(82)が1997年に開設し、全国の遺族から集めた約130人分の遺作など約700点を所蔵。開設時から立命館大の教員と交流し、2005年からは同大学国際平和ミュージアム(京都市北区)に「無言館京都館」を置いて、作品などを常設展示している。
窪島さんは、内田さんの母で女優の樹木希林さん(死去)と親しく、内田さんとも対談などを通じて意気投合。昨年末、窪島さんが共同館主の就任を打診したという。 立命館は無言館を運営する一般財団法人に理事や評議員を派遣するほか、学生への平和教育や発信を強化する。記者会見した内田さんは「今も戦争が絶えない現実と平和のバランスを考えながら、率直な対話などを重ねたい」と抱負を語った。森島理事長は「無言館を側面から支え、特に若い人たちへの取り組みを通じて理解を深めていきたい」と述べ、窪島さんは「これまで孤立無援だったが、抱きとめてくれる人たちが出てきた」と感謝した。