ジェトロ茨城が水戸で食品輸出商談会 商社と地元企業計51社が参加
ジェトロ茨城(水戸市)が10月24日、水戸市内で国内商社との食品輸出商談会を行った。(水戸経済新聞) 【写真】自社製品を手にアピールする「常陸風月堂」の藤田浩一社長 ジェトロ茨城開所10周年を記念して企画した同商談会。当日は、43の事業者と8社の輸出商社が参加した。コメ、酒、野菜・果実など幅広い商品が対象となった。 会場には8台のテーブルが設けられ、30分ごとの入れ替え制で商談が行われた。参加企業は、各商社の取引国や取り扱い商材に合わせて選定された。 ジェトロ茨城の河内章所長は「人材不足が最大の課題。中小企業では輸出に取り組める人材がいない。商社との取引であれば、国内の取引先と同様の形で相談できる」と話す。「食品以外にも日立市の工業製品や、つくば市のスタートアップ企業の支援にも力を入れている。イノベーションの促進、食品輸出、工業製品の海外展開を柱に、県内産業の国際化を進めていきたい」とも。 参加した「ふるさと工房」(水戸市鯉淵町)の江畑仁美営業部長は「東南アジア、特に台湾とタイをターゲットに考えている。消費期限や輸出経験の不足が課題。輸出に関する基礎知識はジェトロの育成塾で学んでいる」と話す。干し芋が主力商品の同社では今回、皮付きの丸干し芋など3種類をPRしたという。 「牛久シャトー」(牛久市中央)の川口孝太郎社長は「ビール市場は飽和状態。輸送時の温度変化や現地での保存状態が課題。試験的に輸出し、品質の劣化や船での温度変化などを確認したい」と語る。同社は地元産の小麦「ゆめかおり」を使用したクラフトビール「ゆめかおりエール」を中心にアピールした。 「常陸風月堂」(日立市十王町)の藤田浩一社長は「和菓子はまだ欧米に浸透していないが、6月にジェトロのブースでニューヨークに行き可能性を実感した。今後、フランス、アメリカ、シンガポールなどへの展開を目指したい」と話す。 「TAPインタートレード」(東京都)の加瀬義孝マネジャーは「海外市場のトレンドとしてコメに注目している。インドの輸出規制やアメリカの異常気象の影響で、日本からの輸出機会が増えている。茨城県ではコメやサツマイモなど、農作物が魅力。県として海外販路開拓にも本気で取り組んでいる」と話す。
みんなの経済新聞ネットワーク