【初告白】「ブサイクと言われるのがイヤで漫才をやめたんじゃない」元・アジアン隅田美保 役者へ転身した本当の理由
■舞台中はお客さんの反応を演じながら見ている ── 芸人時代の経験は、役者業に役立っていますか? 隅田さん:間合いやテンポなど、おおいに役立っています。先日のコメディ劇では、清掃員役で若者たちにツッコんだりする役でした。序盤は、けっこうテンポよくツッコむけど、その後は抑揚をつけて、というところなど、意識する際はとくに感じますね。ウケようとしてやっているわけではないけれど、同じ作品であっても、毎回お客さんの反応が異なります。同じように演じても、昨日はウケたのに、今日はまったく、ということがよくあります。お客さんの人数や感覚によって、かなり違いますね。
── 間合いやテンポ。たしかに、お笑いでも芝居でも大切です。隅田さんはお客さんをよく観察しているんですね。 隅田さん:漫才は芸人自身がお客さんの空気を読みながら進める部分があるんです。舞台から、お客さんの反応を見てテンポ変えることもあります。この感覚とちょっと似てるかな。お芝居は私たちが演じるのをお客さんに見てもらいますが、私はお客さんの様子を見ながら少しテンポを変えてツッコんだり、早めにツッコんだら一拍、間を置いてみたりなど、意識してやっていました。この感覚を知っている、というのは大きいですね。舞台は生ものですから。
PROFILE 隅田美保さん すみだ・みほ。兵庫県出身。NSC(吉本総合芸能学院)大阪校20期生。2002年、アジアンを結成。漫才で多くの賞を受賞し、『M-1グランプリ2005』決勝に進出。2021年6月、コンビを解散し役者に転身。 取材・文/岡本聡子 写真提供/隅田美保、吉本興業株式会社
岡本聡子