全部抜く作戦で駆除後…負担かかるスイレンの処理で企業が名乗り「高付加価値生み出せる」意外な活用方法とは
西依さんが見せてくれたのは、会社の駐車場にあった、大型の草です。 西依さん: 「ホームセンターやペットショップでも売っている南米原産のホテイアオイっていうんですけど、これ1株なんですけど、どんどん子供が脇にできていって、どんどん増殖していってしまって、条件がいいと7カ月で200万倍」
サンウエスパはカンボジアにも拠点を置いていて、増殖して環境を悪化させているというホテイアオイの再利用に取り組んでいます。
そのホテイアオイを分解してエタノールを製造し、現地で取れるフルーツやスパイスを加えてオリジナルのジンを作ることに成功しました。
2023年2月の国際的な品評会では、世界一の評価を獲得し、品質も確かです。
■“無価値のものに価値”で目指す課題解決
そしていま取り組んでいるのが、水草由来の炭「バイオ炭」を作ることです。「バイオ炭」は、水草を乾燥させて、内部に酸素が入らない特殊な炉で加熱して作られます。
キノコ類を栽培する“菌床”として活用できるということで、ゆくゆくは岐阜で研究が進んでいるトリュフ栽培にも繋げたいといいます。
また、使い終わった菌床は家畜の寝床に敷いたり、たい肥として使ったりすることも見込んでいるということです。
水草は水分を多く含むことから加工処理に手間がかかり、アップサイクルが難しいとされていますが、本業で培った技術からそこに商機があると考えたということです。
西依さんは「無価値なもの、未利用のものを見つめ直して、それが価値あるものに変われば、人の生活に役立ったり、売れていくことで課題を解決ができればこれほど素晴らしいことはない」とスイレンの活用にも期待を膨らませています。 2023年12月22日放送